研究開発では、ひとつの部品にも理由がある
研究開発の仕事では、小さな部品ひとつにも役割があります。
一見すると単純なプレートやブロック、スペーサー、カバーのような部品でも、なぜその形なのか、なぜその材質なのか、なぜその寸法なのかという理由があります。
研究設備や実験装置では、限られたスペースの中に多くの部品が組み込まれていることがあります。
ほんの数ミリ大きいだけで干渉する。
穴の位置が少し違うだけで取り付けられない。
厚みが変わるだけで、全体の位置関係が変わってしまう。
そうしたこともあります。
だから、図面に書かれている寸法だけを見るのではなく、その部品がどこで、どのように使われるのかを知ることが大切になります。
たとえばプラスチック加工でも、同じ形をつくれば終わりというわけではありません。
絶縁性が必要なのか。
耐薬品性が必要なのか。
透明である必要があるのか。
軽さを求めているのか。
金属では困る理由があるのか。
用途が違えば、選ぶ樹脂材料も変わります。
そして、材料が変われば加工するときの考え方も変わります。
研究開発用の部品では、市販品では対応できない寸法や形状が必要になることもあります。
その場合は、一品だけの特注部品として製作することになります。
一品だけだから簡単、というわけではありません。
むしろ一つしかつくらないからこそ、最初の一個で目的に近づけるように考える必要があります。
量産であれば、加工条件を少しずつ改善しながら安定させていくこともできます。
しかし、単品加工では同じものを何十個もつくるわけではありません。
これまでの経験や加工実績を使いながら、その部品に合った方法を考えます。
どう固定するか。
どの順番で加工するか。
変形しないようにどう進めるか。
どこを基準に寸法を出すか。
機械加工の前から考えることがあります。
そして加工が終われば、寸法を確認し、必要であれば組み付けや使用方法まで考えます。
研究開発の現場では、小さな部品が実験そのものを支えていることがあります。
その部品がなければ実験できない。
その治具がなければ測定できない。
その一つをつくることで、次の研究へ進める。
そんな仕事もあります。
部品の大きさと、その仕事の大切さは同じではありません。
手のひらに乗るような小さな部品にも、つくられる理由があります。
その理由を考えながら形にしていくことも、(株)アリスのものづくりです。