ChatGPTソラ先生と学ぶ!初心者のためのAI入門講座【第58回】ChatGPTで仕事のマニュアルを作る方法|作業手順・チェックリスト・トラブル対応を分かりやすくまとめよう
こんにちは、ソラ先生です。
前回は、ChatGPTを使って仕事の引き継ぎ資料を作成する方法を学びました。
決定事項、進捗状況、未解決問題、参考資料などを整理し、次の担当者へ正確に情報を伝えることが大切でした。
今回は、そこからもう一歩進んで「仕事のマニュアル」を作成してみましょう。
「毎回、同じ操作を説明している」
「担当者によって作業の進め方が違う」
「久しぶりに行う作業の手順を忘れてしまった」
「新人に仕事を教えたいけれど、何から説明すればいいの?」
「問題が発生したとき、誰に何を確認すればいいのか分からない」
そんなときに役立つのが、作業マニュアルです。
ChatGPTを使えば、仕事の内容を整理し、分かりやすい説明文やチェックリストを作成することができます。
ただし、AIが実際の職場や設備の作業方法を、最初から正確に知っているわけではありません。
今回は、実際の作業を確認しながら、誰が読んでも迷いにくいマニュアルを作成する方法を学びましょう。
1.マニュアルと引き継ぎ資料は何が違うの?
前回作成した「引き継ぎ資料」と、今回の「作業マニュアル」は似ていますが、目的が異なります。
引き継ぎ資料
特定の仕事について、これまでの経緯や現在の状況、決定事項、残っている問題などを伝える資料です。
作業マニュアル
ある作業を実施するときに、必要な準備、操作方法、確認事項などを説明する資料です。
例えば、ホームページの管理を考えてみましょう。
引き継ぎ資料には、
「会社案内ページは修正中。採用ページは構成決定済み」
といった情報を記載します。
一方、作業マニュアルには、
「WordPressで新しいお知らせを投稿する手順」
などを記載します。
整理すると、次のようになります。
| 項目 | 引き継ぎ資料 | 作業マニュアル |
|---|---|---|
| 主な目的 | 仕事の現状を伝える | 作業方法を伝える |
| 中心となる内容 | 決定事項・進捗・課題 | 手順・注意点・確認方法 |
| 更新する場面 | 仕事の状況が変わったとき | 作業方法や操作画面が変わったとき |
| 読む人 | 次の担当者 | 作業を行う人 |
どちらも、正確な情報を残すという点では共通しています。
2.最初に「誰が使うマニュアルか」を決める
マニュアルを作るとき、最初に考えたいのが利用する人です。
例えば、Excelの操作マニュアルを作成するとします。
Excelを初めて使う人と、日常的に使っている人では、必要な説明が異なります。
初心者向けなら、
「ファイルを開く」
「セルを選択する」
「数字を入力する」
といった基本操作から説明する必要があるかもしれません。
一方、経験者向けなら、毎回基本操作を説明する必要はないでしょう。
そこで、ChatGPTには次のように質問します。
「Excelで毎月の売上データを集計するマニュアルを作成したいです。対象はExcelの基本操作ができる事務スタッフです。必要な説明と、省略できる説明を整理してください」
対象者を明確にすることで、説明の詳しさを考えやすくなります。
3.作業の目的と完成条件を明確にする
マニュアルでは、操作手順だけでなく、何のために行う作業なのかを説明することが大切です。
例えば、
「売上データを集計する」
という仕事を考えてみましょう。
この場合、目的は月別の売上を把握することかもしれません。
そして完成条件は、
「対象期間のすべてのデータを集計し、元の記録と合計金額が一致していること」
などが考えられます。
ただし、これは練習用の例です。実際の完成条件は業務内容によって決まります。
ChatGPTには、
「この作業について、目的、実施する内容、完成したと判断する条件を整理してください。実際の業務ルールが不明な部分は質問してください」
と依頼できます。
作業を終えたことと、正しく完了したことは同じではありません。
4.実際の作業を小さな手順に分ける
マニュアル作成では、作業を細かく分けることが重要です。
例えば、「Excelファイルを開いて、売上を集計し、報告してください」
という説明では、初心者は途中で迷うかもしれません。
そこで、次のように分けます。
① 指定されたExcelファイルを開く。
② 集計対象の期間を確認する。
③ 商品名と金額の列を確認する。
④ 必要なデータを集計する。
⑤ 集計結果を元データと照合する。
⑥ 指定された形式で保存する。
⑦ 報告先と報告方法を確認する。
ここで重要なのは、実際に使用するファイルや集計方法を確認することです。
例えば、Excelの関数で集計している場合もあれば、ピボットテーブルを利用している場合もあります。
ChatGPTには、
「実際の作業手順をこれから説明します。その内容を初心者にも分かる順番に整理してください。説明していない操作を勝手に追加しないでください」
と依頼しましょう。
5.手順には「操作」と「確認」を分けて書く
マニュアルを作るとき、操作だけを書いてしまうことがあります。
例えば、
「保存ボタンを押す」
という説明です。
しかし、保存操作を行った後、正しく保存できているか確認する必要があります。
そこで、
操作
指定された保存先へファイルを保存する。
確認
保存先にファイルが存在し、指定した名前で開けることを確認する。
というように分けます。
例えば、次の表です。
| 手順 | 操作 | 確認すること |
|---|---|---|
| 1 | 元データを開く | 対象のファイルか |
| 2 | 集計期間を指定 | 日付範囲が正しいか |
| 3 | 売上を集計 | 計算結果が正しいか |
| 4 | ファイルを保存 | 保存先とファイル名 |
| 5 | 保存ファイルを開く | 内容が正しく残っているか |
このように整理すると、作業を進めながら確認しやすくなります。
6.ChatGPTに作業手順を文章化してもらう
実際に作業を行う人が、操作内容を説明できる場合があります。
しかし、それをマニュアルとして文章にまとめるのは意外に大変です。
例えば、担当者が次のように説明したとします。
「毎月、売上表を開いて、前月分を確認して、商品ごとに合計して、別の表にまとめています」
この説明をChatGPTへ渡して、
「この作業説明をマニュアルに整理してください。ただし、実際に使っている集計方法や保存先はまだ説明していません。不足情報を明確にして、確認できた範囲だけ手順にしてください」
と依頼します。
ChatGPTは、説明内容を整理し、必要な確認事項を挙げることができます。
ただし、実際の操作を見ていない状態では、正しい操作順を完全に判断できない場合があります。
そのため、作成した文章を実際の担当者と確認しましょう。
7.スクリーンショットを使ったマニュアル
パソコンの操作マニュアルでは、スクリーンショットを使うと分かりやすくなる場合があります。
例えば、WordPressの管理画面です。
「投稿メニューを開いてください」
という文章だけでは、初めて操作する人は場所が分からないかもしれません。
そこで、実際の画面を撮影し、対象部分を示します。
ChatGPTに画像を送って、
「このスクリーンショットの内容を確認してください。画面に実際に表示されている操作項目だけを使って、初心者向けの説明文を作成してください」
と依頼できます。
また、画像へ番号や矢印を追加すると、操作する場所が分かりやすくなります。
ただし、スクリーンショットから実際のボタンの動作や、次に表示される画面まで確認できるわけではありません。
必要に応じて、操作後の画面も撮影しましょう。
8.画面の変更によってマニュアルが古くなることもある
ソフトウェアのマニュアルには、注意したい問題があります。
それは、操作画面が変更されることです。
例えば、以前のマニュアルには、
「画面右上の設定ボタンを押す」
と書いてあったとします。
しかし、ソフトウェアの更新によって、設定メニューの位置が変わる場合があります。
このようなとき、古いマニュアルをそのまま使うと、利用者が迷ってしまいます。
そこで、次の情報を記録すると役立ちます。
- 対象となるソフトウェア
- 確認したバージョン
- マニュアルの作成日
- 最終確認日
- 使用した画面の環境
ChatGPTには、
「この操作マニュアルについて、ソフトウェアの更新で変更される可能性がある部分を整理してください。現在の公式マニュアルや実際の画面で確認する項目を挙げてください」
と質問できます。
9.チェックリストを作成してみよう
マニュアルと一緒に使うと便利なのが、チェックリストです。
チェックリストとは、必要な確認項目を一覧にして、一つずつ確認するためのものです。
例えば、月次売上集計のチェックリストです。
- 正しい元データを使用した
- 集計期間を確認した
- データの抜けや重複を確認した
- 計算結果を検算した
- 保存先とファイル名を確認した
- 必要な担当者へ報告した
このような一覧があれば、作業の抜けを防ぎやすくなります。
ただし、チェックが付いているからといって、必ず作業が正しく行われたとは限りません。
必要に応じて、確認者や確認日も記録しましょう。
ChatGPTには、
「この作業マニュアルを基に、作業開始前、作業中、完了後の3段階で確認できるチェックリストを作成してください」
と依頼できます。
10.チェックリストは増やしすぎない
チェックリストは便利ですが、項目が多すぎると確認作業そのものが負担になります。
例えば、毎日5分で終わる仕事なのに、50項目のチェックリストが必要だったらどうでしょうか。
仕事の内容によっては、管理のための作業が増えすぎるかもしれません。
そこで、次のように考えます。
重要な確認
間違えると大きな問題につながる項目。
通常の確認
作業が正しく進んだことを確かめる項目。
補足情報
必要な場合だけ参照する説明。
ただし、安全に関係する業務では、確認項目を安易に省略してはいけません。
実際のリスクや正式な作業基準を基に判断する必要があります。
11.トラブル対応もマニュアルに入れよう
作業マニュアルでは、正常な場合の手順だけでなく、問題が発生した場合の対応も考えておきましょう。
例えば、Excelファイルが開かない場合です。
考えられる原因には、ファイルの破損、アクセス権限、ソフトウェアの問題などがあります。
しかし、原因を確認せずに修復操作を進めると、データを失う可能性があります。
そこで、トラブル対応では次のように整理します。
発生した問題
Excelファイルを開けない。
確認すること
エラーメッセージ、ファイルの保存場所、アクセス権限など。
避けるべきこと
元ファイルを確認せずに上書きしたり、削除したりすること。
必要な対応
原因を調べ、必要に応じて管理者へ相談する。
ChatGPTには、
「この作業で発生しやすいトラブルを整理してください。確認できない原因を決めつけず、安全な確認手順と、担当者へ相談する条件をまとめてください」
と依頼しましょう。
12.「作業を中止する条件」も重要
マニュアルでは、どのような場合に作業を止めるかを明確にしておくことも大切です。
例えば、データ処理で次のような問題が見つかったとします。
「元データと集計結果が一致しない」
「必要なファイルが存在しない」
「アクセス権限がない」
「重要な項目が空欄になっている」
こうした状態で作業を続けると、誤った結果を作成してしまう可能性があります。
そこで、
「この作業を続けてよい条件と、一度中止して確認すべき条件を整理してください」
とChatGPTへ依頼します。
ただし、危険を伴う設備操作などでは、AIが独自に停止基準を決めるべきではありません。
正式な安全基準、設備メーカーの指示、責任者の判断に従う必要があります。
13.マニュアルをWordやPDFにまとめる
ChatGPTでマニュアルの文章を作成したら、配布しやすい形式にまとめることもできます。
例えば、Word文書にすると、後から編集しやすくなります。
PDFにすると、表示する環境が違ってもレイアウトを保ちやすくなります。
ただし、PDFでもフォントや画像の設定によって、表示上の問題が起こる場合があります。
WordやPDFを作成するときは、次の点を確認しましょう。
① 見出しが分かりやすいか。
② 手順番号が正しく付いているか。
③ 画像と説明が対応しているか。
④ 表の文字が途中で切れていないか。
⑤ ページをまたいで説明が分かれすぎていないか。
⑥ 更新日や版番号が記載されているか。
ChatGPTには、
「この作業マニュアルをWord文書として整理してください。表紙、目的、事前準備、操作手順、確認方法、トラブル対応、改訂履歴の構成にしてください」
と依頼できます。
対応する環境では、実際にファイルを作成できる場合があります。
ただし、作成されたファイルは開いて内容を確認しましょう。
14.マニュアルの改訂履歴を残す
作業方法は、時間とともに変わることがあります。
例えば、Excelの集計方法を変更したり、使用するシステムを更新したりする場合です。
その際、古いマニュアルと新しいマニュアルが混在すると、担当者によって作業方法が変わってしまう可能性があります。
そこで、改訂履歴を残しましょう。
例えば、次のような形式です。
| 版 | 更新日 | 変更内容 |
|---|---|---|
| 第1版 | 2026年5月1日 | 初版作成 |
| 第2版 | 2026年5月10日 | 集計方法を変更 |
| 第3版 | 2026年5月18日 | 確認手順を追加 |
これは改訂履歴の形式を説明する架空の例です。
実際には、変更した人や承認者などを記録する場合もあります。
ChatGPTには、
「このマニュアルについて、改訂前と改訂後を比較し、変更された内容を改訂履歴として整理してください」
と依頼できます。
ただし、変更されていない部分まで変更済みと記録しないよう、元の文書と照合する必要があります。
15.マニュアルが本当に使えるか試してみよう
マニュアルを作成したら、実際に使えるか確認することが重要です。
例えば、作成した本人は内容を理解しているため、説明が不足していても気づかない場合があります。
そこで、その作業を初めて行う人に、マニュアルを読んでもらう方法があります。
そして、次の点を確認します。
① 手順を理解できたか
② 途中で迷った場所はないか
③ 必要な資料を見つけられたか
④ 説明と実際の画面が一致しているか
⑤ 完了したことを確認できたか
ただし、危険を伴う作業や重要な業務では、初心者だけで実作業を行わせてはいけません。
適切な指導者の立ち会いなど、安全な方法で確認する必要があります。
16.ChatGPTにマニュアルを点検してもらう
完成したマニュアルを、ChatGPTへ渡して点検することもできます。
例えば、
「この作業マニュアルを初めて読む人の立場で確認してください。説明が不足している部分、曖昧な言葉、手順の抜け、確認方法が不明な部分を整理してください」
と依頼します。
さらに、
「マニュアルの中で、実際の資料や画面を確認しなければ正しいと判断できない部分を一覧にしてください」
と質問することもできます。
ただし、ChatGPTが「分かりやすい」と評価しても、実際の利用者が迷わないとは限りません。
必要に応じて、実際の担当者による確認を行いましょう。
17.今日のミニレッスン
今回は、架空の事務作業を題材に、簡単な作業マニュアルを作成します。
ステップ① 作業の目的を決める
ChatGPTに次のように入力してください。
「Excelで毎月の売上データを集計する作業マニュアルを作成したいです。対象はExcelの基本操作ができる事務スタッフです。まず、目的と完成条件を整理するために必要なことを質問してください」
ステップ② 作業手順を整理する
次に、練習用の作業内容として、
「元データを開く、集計期間を確認する、商品別に集計する、合計金額を確認する、ファイルを保存する」
と伝えます。
続けて、
「この作業を、初心者にも分かる順番に整理してください。実際のファイル構成が分からない部分は推測しないでください」
と依頼します。
ステップ③ 確認方法を追加する
「各手順について、作業が正しく行われたか確認する方法を整理してください」
と質問します。
ステップ④ チェックリストを作る
「作業開始前、作業中、完了後の3段階で確認できるチェックリストを作成してください」
と依頼します。
ステップ⑤ トラブル対応を考える
次の状況を伝えます。
「元データの合計金額と、集計した金額が一致しません」
続けて、
「原因を決めつけず、確認する順番と、作業を中止して担当者へ相談する条件を整理してください」
と依頼します。
ステップ⑥ マニュアル全体をまとめる
「ここまでの内容を基に、目的、事前準備、作業手順、確認方法、チェックリスト、トラブル対応を含むマニュアルを作成してください」
と質問します。
ステップ⑦ 初めて読む人の立場で点検する
最後に、
「このマニュアルを初めて読む人が迷う可能性のある部分を指摘してください。説明が不足している場所と、追加で確認すべきことを整理してください」
と依頼しましょう。
ここまでできれば、作業の整理からマニュアルの点検まで、一通り体験できます。
ソラ先生からひとこと
仕事のマニュアルというと、操作方法を順番に書いた資料を想像するかもしれません。
もちろん、それも重要です。
しかし、私は、作業手順だけでは十分ではないと考えています。
なぜその作業を行うのか。
何を準備すればよいのか。
どこを確認すれば正しくできたと分かるのか。
問題が起きた場合には、何を確認し、誰に相談するのか。
こうした情報があってこそ、実際の仕事で役立つマニュアルになります。
ChatGPTは、手順を整理し、説明文を書き、チェックリストやトラブル対応の案を作る手助けができます。
しかし、AIが実際の作業を確認していなければ、その手順が正しいと判断することはできません。
大切なのは、現場で行っている作業を確認し、必要な情報を整理することです。
そして、マニュアルを読んだ人が、実際に正しく作業できるか確かめることです。
よいマニュアルとは、詳しい説明がたくさん書かれた資料ではありません。必要な人が、必要なときに、正しい作業を再現できる資料です。
次回【第59回】は「ChatGPTで新人教育・研修資料を作る方法|学習計画・練習問題・理解度確認を設計しよう」です。
次は、作成したマニュアルを使いながら、新しく仕事を覚える人が段階的に成長できる研修の仕組みを考えてみましょう。