見落としを、注意力だけの問題にしない。
ものづくりでは、どれだけ注意していても、見落としを完全になくすことは簡単ではありません。
忙しさ。
思い込み。
同じ製品を長時間見続けることによる慣れ。
人が仕事をする以上、確認の精度が状況によって変わる可能性があります。
問題が起きたときに、「もっと注意すればよかった」と考えるだけでは、同じことが繰り返されるかもしれません。
だから(株)アリスでは、個人の注意力だけに頼るのではなく、見落としを防ぎやすい流れをつくることが大切だと考えています。
その一つが、作業と最終確認を分けることです。
加工や仕上げを担当した人とは別の担当者が、梱包前に製品を確認します。
作業者は、どこをどのように加工し、どの部分を仕上げたかを理解しています。
その知識は重要ですが、同時に「ここは確認した」「この部分はできている」という意識も持っています。
別の人は、その前提を持たずに製品を見ることができます。
初めて製品を受け取るお客様に近い視点で、外観や数量、図面との違い、梱包状態などを確認できます。
この仕組みの目的は、責任を分散することではありません。
作業者が自分の工程に責任を持ったうえで、最後に別の視点を加えることです。
一人目が確認したから、二人目は簡単に見る。
二人目が確認するから、一人目は注意しなくてもよい。
そのような考えでは、確認を分ける意味がありません。
それぞれが自分の役割として製品を見ることで、確認の精度が高まります。
また、見落としが見つかった場合には、誰が間違えたかだけを考えるのではなく、なぜその状態で次の工程へ進んだのかを振り返ることも必要です。
確認項目が分かりにくかったのか。
情報共有が不足していたのか。
作業の順番や方法に改善できる部分がなかったか。
原因を整理し、次の仕事へ反映することで、確認の仕組みも少しずつ良くなります。
(株)アリスでは、品質を個人の集中力だけに任せず、見落としに気づける工程を重ねることを大切にしています。
人の弱さを責めるのではなく、仕組みで補う。
それが、安定した品質を継続するために必要な考え方だと思っています。