経験を重ねるほど、「考える力」の大切さが見えてくる。
研究開発現場から生産現場までを支える専用機の設計製作や、空調設備、電気設備、生産設備、FA省力化機器ラインなどを扱う技術商社での仕事を経て、ものづくり会社へ転職しました。
実際の製造現場に身を置いてから、25年以上が経過します。
振り返ると、最初は分からないことばかりでした。
図面の見方。
材料ごとの特徴。
加工方法の選び方。
寸法や仕上がりを安定させるための考え方。
それまで関わってきた仕事とは異なる環境の中で、戸惑いながら一つずつ覚えていきました。
しかし、当時経験した失敗や迷い、周囲から教わったことが、現在の判断を支える大切な基盤になっています。
現場に入って早い段階で実感したのは、機械の操作や加工手順を覚えるだけでは、ものづくりの仕事には十分ではないということでした。
同じような形状に見えても、材料や寸法、使用目的が変われば、適した加工方法も変わります。
要求される精度。
使用される環境。
必要な数量。
納期やコスト。
一つひとつの条件を確認しながら、その案件に合った方法を考えなければなりません。
特に開発試作では、過去とまったく同じ条件の仕事は多くありません。
図面という二次元の情報から、実際に使える三次元の形をつくるためには、加工後に起こることまで想像する必要があります。
どの面を基準にするのか。
どの順番で加工するのか。
材料をどのように固定するのか。
変形や振動を、どのように抑えるのか。
仕上げや検査まで含めて考えたとき、どの工程が適しているのか。
答えは、最初から一つに決まっているわけではありません。
これまでの経験を参考にしながらも、目の前の条件に合わせて考え直す力が求められます。
経験を重ねることは、過去の方法をそのまま使えるようになることだけではありません。
過去との違いに気づき、何を変えるべきかを判断できるようになることです。
以前うまくいった方法でも、条件が違えば見直す。
反対に、過去の失敗も原因を整理すれば、次の仕事に活かせます。
(株)アリスでは、知識や経験の量だけでなく、それを現在の課題へどう結びつけるかを大切にしています。
現場で考え、試し、結果を振り返る。
その積み重ねによって、経験は単なる年月ではなく、お客様の課題を解決するための判断力へ変わっていくと考えています。