見て、真似て、繰り返すことで技術は身につく。
初めて手加工を行う人に、説明だけでバリ取りの方法を伝えることは簡単ではありません。
工具を当てる角度。
刃先を動かす方向。
製品を持つ位置。
材料に加える力の強さ。
言葉で説明できることもありますが、実際の動きを見たほうが理解しやすい部分も多くあります。
そのため(株)アリスでは、未経験の人に手加工を教えるとき、まず見本を見てもらうところから始めます。
最初は練習用のサンプルを使います。
担当者が実際にバリを取り、どの部分を見て、どのように工具を動かしているのかを確認してもらいます。
その後、分からなかったことや不安に感じたことを質問してもらい、同じ作業を実際に行ってもらいます。
形状や材質によっては、一度のお手本でできる場合もあります。
その場合は、時間を決めて一人で練習し、同じ仕上がりを繰り返しつくれるかを確認します。
一度できたことと、安定してできることは同じではないからです。
うまくできなかった場合も、すぐに向いていないと判断することはありません。
どこで工具が引っ掛かったのか。
なぜ必要以上に削ってしまったのか。
製品を持つ位置や刃物の方向に問題はなかったか。
難しかった部分を一緒に確認し、方法を少し変えて、もう一度取り組みます。
手加工を身につけるためには、繰り返し行うことが欠かせません。
同じ動作を何度も経験することで、工具の扱い方や力加減が少しずつ分かるようになります。
ただ回数を重ねるだけでなく、前回との違いを確認しながら練習することで、経験が技術へ変わっていきます。
サンプルで安定してバリを取れるようになれば、実際の製品へ進みます。
本番でも、最初に作業のお手本を見てもらいます。
製品ごとに注意すべき箇所や、仕上げてはいけない部分、確認する基準を共有したうえで、作業を始めます。
教わった方法をそのまま真似る段階から、少しずつ材料や形状の違いを考えられるようになる。
さらに経験を積めば、自分で適した工具や進め方を判断できるようになります。
(株)アリスでは、未経験であることを問題とは考えていません。
最初から上手にできることよりも、見本をよく見て、分からないことを質問し、何度も繰り返して身につけようとする姿勢を大切にしています。
見て覚える。
実際に試す。
結果を確認し、もう一度取り組む。
その地道な積み重ねが、製品を安心して任せられる技術へ育っていきます。