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「祟り」は、本当に恐怖だけだったのか

2014.05.18

祟りという言葉は、今では少し怖い昔話のように聞こえます。

でも昔の人にとっては、かなり現実的な感覚だったと思います。

強い人物が不当に殺された。

災害が起きた。

疫病が流行った。

不作になった。

その時、人は二つを結びつけます。

「あの人を粗末にしたからではないか」

現代人なら偶然と言うでしょう。

でも、そこで重要なのは原因が本当に祟りだったかどうかではありません。

人間がそう感じたという事実です。

そして感じたから、祀った。

神社を建てた。

祭りを始めた。

供物を置いた。

それが何百年も続いた。

つまり祟りの伝承は、歴史的事実の説明そのものではなく、

「その人物や出来事を忘れてはいけない」

という感情の形だった可能性があります。

理屈では説明できない。

でも忘れたくない。

そこで人間は、恐れという形にして記憶を残す。

そう考えると、「祟るから祀った」と「尊敬して祀った」は、必ずしも正反対ではありません。

強い感情があるから祀る。

その中には恐れも尊敬も混ざっている。

歴史上の人物が神になる時、その混ざり方を見ると面白いと思います。

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