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敗者が神になる時、何が起きているのか

2014.05.17

歴史には不思議なことがあります。

生きている時には敵だった人物が、死んだあとに祀られる。

あるいは、中央の記録では反逆者だった人物が、地域では守護者として残る。

なぜでしょう。

一つには、恐れがあると思います。

強い人物を殺した。

恨みを残した。

祟られるかもしれない。

だから祀る。

日本にはこうした「祟りを鎮める」祭祀が多くあります。

でも、それだけでしょうか。

私はもう一つあると思います。

地域の人にとって、その人物が本当に大切だったから。

自分たちのために戦った。

土地を守った。

暮らしを守った。

だから負けても忘れたくない。

公に英雄とは呼べなくても、神として祀るなら残せる。

そういう形もあったかもしれません。

支配する側の歴史から見れば敗者。

土地の歴史から見れば守った人。

その二つの評価が、同じ人物の中に重なります。

だから敗者の神格化を見る時、

「祟りを恐れただけ」

で終わらせない方がいいと思います。

恐れ。

尊敬。

感謝。

申し訳なさ。

いろいろな感情が混ざっている。

人間は単純ではありません。

だから祭祀も単純ではない。

神社や祠には、そういう複雑な感情が残っている可能性があります。

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