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山の民と水の民では、「集まる場所」が違った

2014.09.05

同じ列島に暮らしていても、山で生きる人と水辺で生きる人では、世界の見え方が違います。

山の民にとって重要なのは峠です。

山を越えれば別の集落へ行ける。木材や獣、山の産物を運べる。

知らない土地の人と出会える。

だから峠の入口や山裾には人が集まりやすい。

そして水が湧く場所も重要です。

人も馬も水を飲める。休める。そこで道が分かれることもある。

巨石や大木のある場所なら目印にもなります。

一方、水辺の民にとっては津や河口が重要になります。

船が着く。

荷物を降ろす。

魚や塩を交換する。

川を上って内陸へ向かう。

別の船へ荷物を積み替える。

そこに市場ができ、人も情報も集まる。

つまり山の民にも水の民にも、それぞれの「駅前」のような場所がありました。

でも、その中心に最初から社殿があったわけではない。

人間の動線が先にあった。

その場所が何度も使われ、地域の人にとって特別になり、やがて祭祀の場所になっていく。

だから古社を調べる時、「この神社はいつ創建されたのか」だけでは足りません。

この場所は、昔の人間にとって何だったのか。

峠の入口だったのか。

湧水だったのか。

船着場だったのか。

河口だったのか。

人が集まる理由を探した方が、古社の意味はずっと見えやすくなります。

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