神社の原点には、宴と笑い声があった
2014.09.04
祭りという字を見ると、神聖で厳かな儀式を想像します。
でも、昔の祭りはもっと賑やかだったのではないでしょうか。
収穫が終わった。
魚がたくさん取れた。
長い冬を無事に越した。
船が帰ってきた。
子どもが生まれた。
そんな節目に、普段は別々に暮らしている人たちが集まる。
食べる。
飲む。
話す。
歌う。
踊る。
子どもは走り回り、老人は昔の話をする。若い男女が出会うこともあったでしょう。隣の集落の人と情報を交換し、次の婚姻や交易の話が決まることもあったかもしれません。
そして、その場には亡くなった祖先も一緒にいると考えた。
今でも私たちは、墓参りへ行けば亡くなった人に話しかけます。「今年も来たよ」「みんな元気だよ」と声をかける。
昔の人なら、もっと自然に祖先を同じ集まりの中に感じていたのかもしれません。
神様やご先祖様へ食べ物を供える。
そのあと皆で食べる。
これは単なる宗教儀式ではなく、「今年も一緒に生きられた」という確認だったように思えます。
だから祭りと宴は、神社に後から付いた娯楽ではなく、むしろ最初から中心にあった可能性があります。
自然に感謝する。
祖先を思う。
そして生きている人同士もつながる。
そこに笑い声がある。
私は、神社の原点を考える時、この景色の方がしっくりきます。
静かな本殿の前だけが神社なのではない。
人が集まり、食べ、話し、笑った場所そのものが、神社の始まりだったのではないでしょうか。
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