試作加工では、つくりやすさも考える
研究開発や製品開発では、設計した形を実際につくってみることで、多くのことが分かります。
図面上では成立していても、実際に加工しようとすると難しい部分が見つかることがあります。
工具が入らない。
材料を固定しにくい。
深い部分まで加工できない。
薄すぎて変形しやすい。
必要な精度を安定して出しにくい。
こうした問題は、実際の加工を考えたときに初めて見えてくることがあります。
だから試作加工では、図面どおりにつくることだけではなく、「どうすればつくりやすくなるか」を考えることも大切です。
もちろん、設計の意図を勝手に変えることはできません。
しかし、目的を確認した上で、形状や寸法の考え方について相談できる場合があります。
たとえば、角の形状を少し変えることで工具が入りやすくなる。
穴の位置をわずかに変えることで加工しやすくなる。
分割できる構造にすることで、加工や組み立てが容易になる。
必要以上に厳しい精度を見直すことで、加工時間や費用を抑えられる。
こうした工夫によって、試作が進めやすくなることがあります。
研究開発では、一回つくって終わりではない仕事もあります。
試作品を使って確認する。
その結果から設計を変更する。
もう一度つくる。
さらに確認する。
この繰り返しの中で、形だけではなく加工方法も少しずつ整っていきます。
量産を予定している製品なら、試作段階から生産しやすさを考えておくことも重要です。
試作ではつくれた。
けれど、同じ方法では大量につくるのが難しい。
それでは、量産へ進むときに大きく加工方法を変えなければならない場合があります。
そのため、最初の試作から量産まで、すべて同じ方法にする必要はありませんが、その先にどんな生産があるのかを考えておくことには意味があります。
(株)アリスでは、試作品を完成させることだけを目的にするのではなく、その先でどう使われ、どのように次へ進むのかも考えます。
設計する人。
加工する人。
組み立てる人。
実際に使う人。
それぞれの立場から見ると、同じ部品でも見えることが違います。
加工現場だから気づけることもあります。
試作加工は、設計された形をそのまま形にするだけの仕事ではありません。
実際につくることで見えたことを、次のものづくりにつなげる。
そこにも、試作の大切な役割があります。