ChatGPTソラ先生と学ぶ!中級者のためのAI実践講座【第99回】ChatGPTを使ってAI活用を続けて改善する方法|記録・見直し・学び直しを日々の仕事につなげる実践講座
1.はじめに
皆さん、こんにちは。ソラ先生です。
前回は、AI活用で得た知見を、使用条件、確認できた結果、失敗の原因、注意点と一緒に共有する方法を学びました。
知見を共有すると、ほかの担当者の試行から、新しい疑問や改善点も見えてきます。
「以前の手順では、今回の資料に対応しにくい」
「同じ確認を何度も繰り返している」
「修正したはずの問題が、別の仕事でも起きている」
こうした変化に気づいたとき、使い方を見直せる仕組みが必要です。
賢ちゃん、今回は、日々の気づきを記録し、改善する点を選び、小さく試して手順へ戻す流れを考えましょう。
なお、今回の実務例はすべて説明用です。実際の社内の出来事や成果を示すものではありません。
2.今回の到達目標
今回は、次の五つを目指します。
- 日々の作業から、見直しに必要な記録を残す。
- 改善する課題に優先順位を付ける。
- 原因の確認と、必要な学び直しを結び付ける。
- 変更を小さく試し、採用するか判断する。
- 更新した手順を、次の仕事で使える状態にする。
改善を特別な作業として積み上げすぎず、普段の仕事へ組み込むことを目指します。
3.使い方が合わなくなる理由を考える
一度うまくいった手順でも、条件が変われば調整が必要になります。
例えば、次のような変化があります。
- 扱う資料が増える。
- 資料の形式が変わる。
- 担当者が変わる。
- 成果物の使用先が変わる。
- 求められる確認の範囲が変わる。
- 使用する機能や設定が変わる。
以前の評価が、どの条件で成り立っていたかを残しておくと、見直す必要性を判断しやすくなります。
4.改善の流れを一周つなげる
継続して改善するには、気づきを記録するだけで終わらせないことが大切です。
基本となる流れを整理します。
- 作業中の問題や気づきを残す。
- 記録を基に課題を選ぶ。
- 原因と不足する知識を確かめる。
- 変更案を作る。
- 限定した範囲で試す。
- 結果を確認する。
- 採用した変更を手順へ反映する。
最後に手順を更新することで、次の作業の出発点が変わります。
5.毎回の記録は短くする
日々の記録が重すぎると、続けにくくなります。
通常の作業では、例えば次の四項目に絞れます。
- 何の作業をしたか。
- どこで迷い、何を修正したか。
- 未解決のことは何か。
- 次回も確認したいことは何か。
重要な問題が起きた場合は、入力、出力、使用資料、発見方法などを追加します。
記録の細かさを、問題の影響に合わせて変えましょう。
6.プロンプト例①:日々の気づきを記録する
以下の作業内容から、次回の改善に使う短い記録を作成してください。
項目は、作業名、使用した手順、迷った点、修正内容、未解決事項、次回確認することとしてください。
実際に起きたことと、今後の提案を分けてください。
原因が分からない場合は、未確認としてください。
記録にない問題や成果は追加しないでください。【今回の作業内容】
ここに記載します。
作業が終わった直後に残すと、修正の理由を思い出しやすくなります。
7.問題がなかった場合も条件を残す
誤りが起きた記録だけでは、どの条件で順調に進められたかが分かりません。
問題が見つからなかった場合も、対象と確認範囲を短く残します。
例えば、
「指定の文章資料で質問を抽出し、原文と照合した範囲では抜けを確認しなかった」
という記録です。
「問題なし」とだけ書くより、確認した内容が明確になります。
確認していない点まで、正しいと保証した表現にしないようにしましょう。
8.気づきを課題の一覧へまとめる
個々の記録から、改善の候補を取り出します。
| 項目 | 記載する内容 |
|---|---|
| 課題 | 何に困っているか |
| 発生した条件 | どの資料や作業で起きたか |
| 影響 | 何の判断や工程に関係するか |
| 頻度 | 記録上、何回確認されたか |
| 現在の対応 | 当面どう扱っているか |
| 不明点 | 原因や範囲について分からないこと |
| 次の行動 | 調査、試行、手順修正など |
同じ課題を複数の記録からまとめる場合は、元の記録をたどれるようにします。
9.同じ問題かどうかを確かめる
似た誤りが続いていても、原因まで同じとは限りません。
例えば、条件の抜けには、次の可能性があります。
- 資料の一部を入力していなかった。
- 抽出対象の指示が曖昧だった。
- 出力の途中で項目が省かれた。
- 人の照合範囲が不足していた。
表面上の結果だけで一つにまとめず、入力や発見方法も比較します。
原因が異なる場合は、別の課題として扱う方が改善しやすくなります。
10.改善する課題の順番を決める
すべての課題へ同時に取り組むと、日常業務を圧迫します。
優先順位は、次の観点で考えます。
- 間違いが与える影響。
- 発生する頻度。
- 修正や確認の負担。
- 影響する作業の広さ。
- 改善を試せる見込み。
頻度が低くても、重要な条件の誤りは先に対応すべき場合があります。
点数を付ける場合も、重要な問題を合計点だけで埋もれさせないようにします。
11.プロンプト例②:課題の優先順位を整理する
以下の課題一覧について、対応する順番の案を作成してください。
影響の大きさ、発生頻度、修正負担、影響範囲、試行のしやすさを検討してください。
各課題について、優先する理由、当面の対応、追加で確認することを示してください。
重大な問題は、発生頻度が低いことだけで優先度を下げないでください。
不明な頻度や影響は、推測で数値化しないでください。【課題一覧と記録】
ここに記載します。
判断案を確認し、実際に着手する課題を絞ります。
12.当面の対応と根本的な改善を分ける
問題が見つかった場合、すぐに仕事を進めるための対応と、再発を減らす改善を区別します。
例えば、
「抽出結果を人が全件照合する」
という当面の対応と、
「抜けが起きる条件を調べ、入力と指示を見直す」
という改善があります。
当面の確認を追加しただけで、原因が解消されたとは限りません。
それぞれの目的と、見直す時点を残しましょう。
13.原因を調べる範囲を決める
原因の調査では、関係する記録を確認します。
- 実際に入力した情報。
- 使用した指示。
- 出力された内容。
- 参照資料。
- 人が行った修正。
- 問題を発見した確認。
資料を確認できない場合は、原因を断定できる範囲も限られます。
まず何が起きたかを整理し、その後で考えられる原因と確認方法を示します。
14.学び直す内容を課題から選ぶ
改善のために、機能や使い方を学び直すこともあります。
その際は、学ぶ対象を仕事の課題へ結び付けます。
例えば、
「長い資料の扱い方を知りたい」
よりも、
「複数資料から条件を抽出する際、資料名と記載箇所を対応付けて確認する方法を学ぶ」
とすると、学んだ後に試すことが明確になります。
操作方法だけでなく、業務知識や確認基準の学び直しが必要な場合もあります。
15.プロンプト例③:必要な学び直しを整理する
以下の課題について、解決のために確認・学習する内容を整理してください。
【課題と発生条件】
○○【確認できた事実】
○○【現在の知識と不明点】
○○原因の確認、業務知識、資料の扱い、指示の作成、出力の確認に分けてください。
各項目について、学ぶ目的と、学んだ後に試す作業を示してください。
未確認の製品仕様や機能を、利用できる前提にしないでください。
学ぶ項目を増やしすぎず、今回の課題に必要な範囲から取り組みます。
16.新しい情報は適用条件まで確かめる
新しい使い方を知ったら、自分の仕事で使える条件を確認します。
- 現在の利用環境で使用できるか。
- 扱う資料に対応しているか。
- 必要な設定や権限があるか。
- 人の確認方法が変わるか。
- 情報の取り扱い条件に合っているか。
製品の機能や設定に関する情報は、確認した時点と参照先を残します。
説明を読んだことと、実際の環境で使用できたことも区別しましょう。
17.変更する点を一つに絞る
改善案が複数ある場合、最初の試行では変更点を絞ります。
例えば、
「条件の抽出結果に、資料名と記載箇所を添える」
という一つの変更を試します。
同時に入力形式、指示、確認者、評価基準まで変えると、何が結果に影響したか判断しにくくなります。
複数の変更が必要な場合は、その内容と理由を記録し、効果の切り分けに限界があることを示します。
18.期待する変化と確認方法を決める
変更前に、何を確かめたいかを書きます。
例えば、
「記載箇所を添えることで、条件の照合を進めやすくなるか」
という問いを置きます。
記録する項目は、次のように考えられます。
- 照合に使った時間。
- 記載箇所の誤り。
- 条件の抜け。
- 修正した内容。
- 確認者が迷った点。
期待する変化は、結果を保証するものではなく、試行で確かめる仮説として扱います。
19.プロンプト例④:改善の試行を設計する
以下の改善案を、小さく試す計画にしてください。
【現在の方法】
○○【今回変更する点】
○○【確かめたい変化】
○○【試せる題材と確認体制】
○○対象条件、変更しない条件、記録項目、品質基準、停止条件、結果の判断方法を整理してください。
件数や期間が未定の場合は、設定候補として示してください。
改善効果は、確認前の仮説として記載してください。
試行の前に、必要な品質を満たさなかった場合の扱いも決めます。
20.試行中の方法と通常の手順を分ける
試している方法を、いつの間にか正式な手順として使わないようにします。
例えば、状態を次のように分けます。
- 変更案。
- 試行中。
- 結果確認待ち。
- 限定条件で採用。
- 通常の手順へ反映済み。
- 不採用または保留。
試行用の成果物にも状態を示し、使用前に必要な確認を行います。
21.変わらなかった結果も残す
試した結果、期待した改善が見られないこともあります。
その場合も、記録は役立ちます。
例えば、
「参照箇所を追加したが、照合時間の明確な差は確認できなかった」
という結果です。
次に、参照箇所の記載が正しかったか、課題に合う変更だったか、比較条件がそろっていたかを検討します。
効果が確認できなかったことと、今後も効果がないと確定したことは区別しましょう。
22.説明用の例:照合方法を改善する
架空の作業を例に、改善の流れを整理します。
| 項目 | 説明用の内容 |
|---|---|
| 課題 | 条件表の根拠を探す際に迷う |
| 確認した記録 | 条件はあるが、資料内の位置が書かれていない |
| 原因の仮説 | 参照先の不足が照合を難しくしている可能性 |
| 変更案 | 資料名と記載箇所を出力に加える |
| 試行 | 練習用資料で、現在の方法と比較する |
| 記録項目 | 照合時間、参照先の誤り、条件の抜け |
| 判断 | 品質と確認負担を見て採用範囲を決める |
これは改善計画の例です。実際に時間短縮などが確認された成果を示すものではありません。
23.結果から採用・再試行・保留を選ぶ
試行後は、結果に合わせて次の行動を決めます。
- 必要な条件を満たしたので、範囲を限定して採用する。
- 一部に課題があるので、修正して再試行する。
- 比較条件がそろわないため、追加で記録する。
- 負担が増えたため、元の方法へ戻す。
- 判断材料が不足しているため、保留する。
採用する場合も、どの条件で確認できた結果なのかを残します。
24.プロンプト例⑤:試行結果を判断材料へまとめる
以下の試行記録を、改善案を採用するための判断材料へ整理してください。
【変更内容と目的】
○○【試行条件】
○○【時間・修正・品質の記録】
○○確認できた変化、変化を確認できなかった点、比較上の限界、残る課題を示してください。
その後、採用、限定採用、再試行、保留、元の方法へ戻すという選択肢を検討してください。
記録にない成果を補わず、原因の仮説は事実と分けてください。
判断を行う担当者が、記録と条件を確認します。
25.採用した変更を手順へ戻す
採用が決まったら、次の仕事で使えるように反映します。
- 入力用のひな形。
- 使用するプロンプト。
- 作業手順。
- 確認項目。
- 役割分担。
- 共有資料。
変更理由と適用条件も残します。
改善結果を会話の中に置いたままにせず、実際に参照する手順へ結び付けることが重要です。
26.古い方法へ戻ってしまう原因を減らす
更新した手順があっても、古いファイルやプロンプトが使われることがあります。
現在使用する版を特定し、旧版は参考用などの状態を示します。
また、担当者へは、変更箇所と作業への影響を伝えます。
「新しい版になりました」だけでなく、
「抽出結果に参照箇所を追加し、その記載も照合する」
というように、実際の行動を示しましょう。
27.見直す時点と担当を決める
改善を続けるには、記録を誰が、どの時点で確認するかを決めます。
例えば、作業の区切りや、一定の件数が集まった時点で振り返ります。
次のような変化があった場合は、定期の見直しを待たずに確認します。
- 重要な誤りが見つかった。
- 前提となる資料が変わった。
- 確認を維持できなくなった。
- 対象外の仕事へ使用範囲が広がった。
担当や時点が未定の場合は、決める必要がある項目として残します。
28.プロンプト例⑥:日々の改善状況を整理する
以下の記録から、現在の改善状況を整理してください。
【日々の作業記録】
○○【課題一覧】
○○【試行と判断の記録】
○○未着手、原因確認中、試行中、判断待ち、手順反映待ち、完了に分けてください。
各項目に、次の行動、必要な情報、担当の決定状況を示してください。
提案、試行、採用、更新完了を区別してください。
記録だけでは分からない状態は、確認が必要としてください。
状況を整理したら、今取り組む課題を絞り込みます。
29.実践演習:10ステップで改善を日々の仕事につなげる
機密情報を含まない題材、または共有可能な作業記録を使って取り組みましょう。
ステップ1:対象の仕事を選ぶ
繰り返し行っているAI活用の仕事を一つ決めます。
ステップ2:最近の記録を確認する
入力、出力、修正、確認の記録を集めます。
ステップ3:気づきを短くまとめる
迷った点、問題、未解決事項を整理します。
ステップ4:課題を選ぶ
影響、頻度、確認負担を基に、一つの課題へ絞ります。
ステップ5:原因と不明点を分ける
確認できたこと、仮説、追加で調べることを示します。
ステップ6:必要なことを学び直す
課題に関係する知識や方法を確認します。
ステップ7:変更案を作る
今回変える点と、変えない条件を決めます。
ステップ8:小さく試す
品質、修正、確認負担を記録します。
ステップ9:結果を判断する
採用、再試行、保留などを理由と一緒に整理します。
ステップ10:手順へ反映する
採用した変更を更新し、次に見直す条件を残します。
30.継続して改善するためのチェックリスト
- 日々の気づきを無理なく記録できる。
- 問題がなかった場合も、確認条件を残している。
- 課題の根拠となる記録をたどれる。
- 事実、原因の仮説、不明点を分けている。
- 当面の対応と改善を区別している。
- 学び直す内容が、仕事の課題に結び付いている。
- 試行で変更する点と確認方法が明確である。
- 期待した効果がなかった結果も残している。
- 採用した変更を実際の手順へ反映している。
- 見直す担当と時点、またはきっかけが決まっている。
記録や見直し自体の負担が大きい場合は、項目と頻度を調整します。
31.よくある失敗と直し方
失敗1:気づきを残すだけで、次の行動を決めない
課題ごとに、原因確認、試行、判断、手順更新などの次の行動を付けます。
失敗2:問題が起きるたびに指示を継ぎ足す
入力や確認方法にも原因がないか調べ、必要な変更へ絞ります。
失敗3:新しい方法を知るたびに全体を変える
仕事の課題との関係を確認し、小さな範囲で試します。
失敗4:一度の試行で解決済みにする
試した条件と残る不明点を示し、採用範囲を限定します。
失敗5:効果がなかった試行を捨てる
試行条件と結果を残し、同じ検討を繰り返さないための材料にします。
失敗6:改善案を採用しても手順を更新しない
使用するひな形、プロンプト、確認項目まで反映し、現在の版を明確にします。
32.今回の要点
- 改善の出発点は、日々の具体的な記録です。
迷い、修正、確認条件を短く残します。 - 取り組む課題を絞ります。
影響と負担を見て、優先する課題を選びます。 - 原因確認と学び直しを結び付けます。
分からない点を明確にし、仕事で試す内容まで決めます。 - 変更は試行で確かめます。
期待と結果を分け、変化がなかった場合も記録します。 - 採用した変更を次の仕事へ戻します。
手順と共有資料を更新し、改善の流れを一周させます。
33.仕事で使える基本プロンプト
あなたは、AI活用を継続して改善するための記録整理を補助します。
以下の情報から、次に取り組む改善と、仕事への反映方法を整理してください。【対象の仕事と目的】
○○【現在の手順と役割分担】
○○【日々の作業・修正・確認の記録】
○○【現在の課題】
○○【確認できた事実と不明点】
○○【これまでに試した変更と結果】
○○【担当と運用上の条件】
○○次の10項目でまとめてください。
1.記録から確認できる課題
2.課題の影響、頻度、確認負担
3.優先して取り組む課題と理由
4.当面の対応と、原因を確かめる作業
5.必要な学び直しと確認事項
6.今回変更する点と、変更しない条件
7.小さな試行の対象と記録項目
8.採用・再試行・保留を判断する条件
9.採用後に更新する手順と資料
10.次の行動と見直しのきっかけ次の条件を守ってください。
・記録にない出来事、数値、成果を作らないでください。
・事実、原因の仮説、提案を区別してください。
・未確認の機能や設定を、使用できる前提にしないでください。
・対策の提案、実施、効果確認、採用を分けてください。
・期待した効果がなかった記録も検討してください。
・担当や期限が未定の場合は、未定としてください。
・重要な問題については、通常の見直しを待たずに必要な対応を示してください。
・改善作業自体の負担も考慮してください。
34.まとめと次回予告
今回は、ChatGPTを使って、AI活用を続けて改善する方法を学びました。
日々の気づきを記録し、課題を選び、必要なことを学び直し、小さく試す。その結果を手順へ戻すことで、次の仕事の進め方を更新できます。
改善は、新しい方法へ次々に変えることだけではありません。今の方法が役立つ条件を確かめ、必要な部分を調整することも含まれます。
賢ちゃん、振り返りでは、次の問いを置いてみてください。
「今回分かったことは、次の仕事のどこへ反映されているだろうか」
記録を次の行動へつなげることが、学びを実務に生かす一歩になります。
次回、第100回は、
「ChatGPTを使って実務の課題解決に取り組む方法|目的の整理から検証・判断・改善までをつなぐ総合実践講座」
をお届けします。
中級講座の締めくくりとして、一つの課題を題材に、情報整理、仮説、検証、判断、実行、振り返りをつなげて取り組みます。
それでは、また次回。ソラ先生でした。