小さな設計変更が、加工時間を大きく変えることがある
部品の形をほんの少し変えるだけで、加工方法が大きく変わることがあります。
見た目では小さな違いでも、加工する側から見ると大きな差になることがあります。
深い溝を少し浅くする。
内側の角に少し丸みを持たせる。
穴の位置をわずかに移動する。
薄すぎる部分を少し厚くする。
部品を一体でつくるのではなく、分割して組み立てる。
こうした変更によって、使える工具が変わったり、加工工程を減らせたりすることがあります。
研究開発や試作では、最初から加工しやすい形が決まっているとは限りません。
必要な機能を考えて設計した結果、加工が難しい形になることもあります。
そのときに大切なのは、加工しにくいからという理由だけで設計を変えることではありません。
なぜ、その形が必要なのかを確認することです。
機能上、絶対に必要なのか。
他の形でも目的を満たせるのか。
少し変更しても問題がないのか。
そこを確認した上で、よりつくりやすい方法を一緒に考えます。
たとえば、細くて深い溝は、小さな工具を長く突き出して加工しなければならないことがあります。
加工時間が長くなる。
工具が振れやすくなる。
折れやすくなる。
仕上がりも安定しにくくなる。
もし溝の形状を少し変えられるなら、より安定した工具が使えるかもしれません。
それだけで、加工時間も品質も変わることがあります。
量産を考える仕事では、この差がさらに大きくなります。
一個あたり数分の違いでも、百個、千個とつくれば大きな差になります。
だから試作段階で、加工しにくいところを見つけておくことには意味があります。
一度つくる。
加工した人が気づく。
設計する人と相談する。
必要なら形を変える。
もう一度つくる。
こうしたやり取りの中で、製品の機能とつくりやすさを近づけていきます。
(株)アリスでは、加工現場で気づいたことを、加工現場だけの話で終わらせないことを大切にしています。
設計へ返せることは返す。
次の試作に活かせることは活かす。
量産につながる改善なら、早い段階で考える。
ものづくりでは、大きな変更だけが改善ではありません。
ほんの少しの形状変更が、加工時間、品質、作業性、コストを大きく変えることがあります。
小さな違いを見逃さないことも、研究開発から生産までをつなぐ技術の一つです。