短納期でも、品質まで急がせない
急ぎの仕事では、時間との勝負になることがあります。
設備が止まっている。
実験の日が迫っている。
次の評価までに部品が必要。
生産計画を止めたくない。
そんな状況では、一日でも早く部品が必要になります。
けれど、納期が短いからといって、確認や品質まで急がせてしまえば意味がありません。
早くつくったのに取り付かない。
寸法が合わない。
材質が用途に合っていない。
使い始めてすぐに問題が出る。
それでは、かえって現場を止める時間が長くなってしまいます。
短納期の仕事ほど、何を省いてよくて、何を省いてはいけないのかを見極める必要があります。
たとえば、見た目を整えるための工程は後に回せる場合があります。
一方で、取り付け寸法や強度、相手部品との位置関係は省けません。
研究開発用の試作品でも同じです。
今回の実験で確認したいことが形状だけなら、必要以上の仕上げをしないという考え方があります。
反対に、温度や薬品、強度を評価する試験であれば、材料や加工条件を簡単に変えることはできません。
大切なのは、急いでいる理由を理解することです。
何のために、その日までに必要なのか。
どこまで完成していれば次へ進めるのか。
絶対に守らなければならない条件は何か。
それが分かれば、限られた時間の中でも優先順位をつけられます。
加工方法も見直します。
複数の工程を同時に進められないか。
先に必要な部分だけ完成させられないか。
手配に時間がかかる材料を別の方法で準備できないか。
外部の技術を組み合わせた方が早く確実ではないか。
短納期対応では、加工する人だけで完結しないこともあります。
材料屋さん。
表面処理会社。
協力加工会社。
配送。
多くの人と連携することで、初めて間に合う仕事もあります。
(株)アリスでは、納期を守ることと、品質を守ることを別々には考えていません。
早く必要だからこそ、使えるものを届ける。
そのために、最初に条件を整理し、必要な工程を守りながら進める。
短納期とは、ただ速く加工することではありません。
限られた時間の中で、必要な品質をどう成立させるか。
そこまで考えることが、ものづくりの仕事です。