問題が起きたとき、全部を変えない理由
仕事が思うように進まないとき、何とかしようとして、いろいろなことを一度に変えたくなる場合があります。
方法を変える。順番を変える。使う道具を変える。確認の仕方も変える。
それでうまくいけばよいのですが、実際には、かえって問題が複雑になってしまうことがあります。
(株)アリスでは、問題を解決するとき、できるだけ一つのテーマに集中することを大切にしています。
まず、考えられる問題を全部出してみる
例えば、樹脂部品の切削加工で、寸法が安定しない問題が起きたとします。
材料の性質、加工時の熱、工具の状態、部品の固定方法、測定時の条件など、原因として考えられることはいくつもあります。
最初から原因を一つに決めつけるのではなく、考えられる問題をまず洗い出します。
小さなことでも、思いつく限り書き出してみる。
そして、それらを共通する要因ごとに分類していきます。
最初はたくさんあった問題も、整理すると、大きく三つや五つ程度の要因にまとまる場合があります。
そうすると、複雑に見えていた問題の全体像が見えやすくなります。
最も影響が大きいところから変えていく
次に考えるのは、どの要因が結果に最も大きく影響しているかです。
その中で、最も可能性が高いと考えられる原因を一つ選び、そこを改善してみます。
他の条件は、できるだけ変えません。
すべてを同時に変えてしまうと、結果が改善したとしても、何が効果を発揮したのか分からなくなるからです。
最も影響の大きい要因を正しく見つけられれば、一度の改善で問題が解決することも少なくありません。
さらに精度を高める必要があれば、次に影響の大きい要因を検討します。
問題が再び起きたときには、前回とは別の要因が原因になっている場合もあります。
だからこそ、最初に問題を整理しておくことが、次の仕事にも役立ちます。
仕事を整理する力は、経験とともに育っていく
こうした考え方は、製造現場だけでなく、営業事務などの仕事にも応用できます。
例えば、確認漏れが繰り返される場合です。
単に「もっと注意しよう」と考えるだけでは、同じことが起こるかもしれません。
情報の受け取り方に問題があるのか。
確認するタイミングが適切ではないのか。
作業手順に分かりにくいところがあるのか。
一つずつ整理すると、見直すべきところが見えてきます。
最初は難しく感じても、周囲と一緒に考えながら経験を重ねることで、少しずつ問題を整理できるようになります。
問題を解決する経験が、次の力になる
(株)アリスでは、問題が起きたとき、誰が悪かったのかを探すことより、何が原因だったのかを明らかにすることを大切にしています。
問題の大きさに振り回されず、事実を整理して、一つずつ解決する。
そして、なぜ改善できたのかまで理解する。
その経験があれば、次に似た問題が起きても、落ち着いて対応しやすくなります。
仕事を覚えるとは、手順を覚えることだけではありません。
問題に向き合い、自分で解決方法を考えられるようになることも、大切な成長の一つだと思っています。