測った数字から、加工を見直す
寸法測定は、加工が終わった後に確認するだけの作業ではありません。
測った数字から、加工の状態を知ることがあります。
狙った寸法に対して、少し大きい。
少し小さい。
最初の一個と、次の一個で数字が変わっている。
同じ加工をしているはずなのに、わずかな差が出ている。
こうした変化には、何か理由があります。
工具が少しずつ摩耗している。
材料の固定状態が変わっている。
加工中の熱が影響している。
樹脂材料が変形している。
測定する位置や方法に違いがある。
数字を見れば、加工中には気づかなかったことが見えてくる場合があります。
だから、測定結果は完成品の確認だけではなく、次の加工を考えるための情報にもなります。
研究開発用の試作品では、一個の測定結果から設計や加工方法を見直すことがあります。
たとえば、狙った寸法には入っているけれど、組み付けると少しきつい。
図面上では問題がなくても、実際の使用ではもう少し余裕が必要だった。
そんなこともあります。
その場合は、単に加工精度の問題として見るのではなく、部品同士の関係まで考える必要があります。
生産現場では、複数の部品を継続して測ることで傾向が見えることがあります。
最初は安定していた寸法が、少しずつ片側へ寄っていく。
それなら、工具の摩耗や加工条件の変化を疑うことができます。
数字を一個ずつ見るだけではなく、変化を見る。
それも品質確認の大切な役割です。
プラスチック加工では、材料によって加工後の寸法が落ち着くまでに変化することがあります。
温度や形状、加工量によって影響の出方も違います。
そのため、測定した瞬間の数字だけでなく、材料の性質も考えながら判断