ガラス繊維入りPPSを切削するときに工具摩耗を考える理由
2026.04.16
PPSには、ガラス繊維を配合したグレードが使用されることがあります。
ガラス繊維を加えることで剛性や強度、寸法安定性などを高められますが、切削加工側から見ると、一般的なプラスチック樹脂とは異なる注意が必要になります。
その一つが工具摩耗です。
ガラス繊維は切削工具に対して研磨材のような作用をするため、加工を続けると刃先が摩耗します。
工具が摩耗しても、工作機械そのものはプログラム通りに動き続けます。
しかし、刃先状態が変化すれば実際の切削状態も変わります。
最初の数個では寸法が安定していても、加工数量が増えるにつれて寸法差が生じたり、加工面が変化したりする可能性があります。
そのため、ガラス繊維入りPPSを複数個加工する場合には、最初の製品だけを測定して安心することはできません。
工具寿命をどのように管理するのか。
どの程度の数量で工具状態を確認するのか。
寸法をどのタイミングで測定するのか。
こうした管理も再現性を確保するために必要です。
工具選定についても、単純にプラスチック樹脂用工具を使用すれば良いとは限りません。
形状、加工量、要求される面品質や寸法によって、適した工具材種や加工条件が変わります。
また、工具が摩耗すると切削抵抗も変化し、発熱やバリなど別の問題につながる場合があります。
(株)アリスでは、PPSという材料名だけではなく、ガラス繊維入りかどうかを含めて材料グレードを確認することを大切にしています。
高精度な加工を安定して繰り返すには、加工条件だけでなく、工具状態まで含めて管理することが重要です。
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