PPS切削加工でソリを抑えるために重要な加工順序
PPSは耐熱性や耐薬品性、寸法安定性に優れた高機能プラスチック樹脂で、半導体製造装置や産業設備などの部品にも使用されています。
しかし、PPSを切削加工するときに注意しなければならないのが、加工後のソリです。
特に板形状や薄肉形状では、機械上では平らに加工できていても、製品を取り外した後に変形することがあります。
原因の一つは、材料内部に存在する応力です。
素材を切削すると、それまで均衡していた応力の状態が変化します。
例えば片側だけを大きく削れば、左右や表裏のバランスが変わり、クランプを解除した後に製品が反る可能性があります。
そのため、PPSの精密加工では、最終寸法だけではなく「どの順番で材料を除去するか」が重要になります。
荒加工で一度に仕上げ寸法まで削るのではなく、必要な仕上げ代を残し、材料の状態を確認しながら加工を進める方法があります。
表裏を加工する部品であれば、一方向だけから大量に削るより、加工量のバランスを考えることも必要です。
また、切削中の熱もソリに影響します。
局部的に温度が上昇すると、材料が膨張した状態で加工されます。そのまま仕上げれば、常温に戻った後に寸法や平面度が変化する可能性があります。
クーラント、工具、回転数、送り、切込み量を適切に選択し、必要以上の発熱を抑えることが重要です。
(株)アリスでは、PPS部品の形状、肉厚、要求される平面度などを確認しながら加工工程を考えています。
PPSの高精度加工は、機械上で寸法を合わせれば終了ではありません。
機械から取り外した後に、どのような状態になるのかまで考えることが、安定したPPS切削加工には必要です。