加工の基準をどこに置くかで、部品は変わる
部品を加工するときには、基準が必要です。
どこをゼロとして寸法を決めるのか。
どの面を基準に穴位置を出すのか。
どの部分を最初に仕上げるのか。
図面には多くの寸法が書かれていますが、実際の加工では基準の考え方が重要になります。
たとえば、複数の穴があるプレートを加工するとします。
外形から穴位置を出すのか。
中心から出すのか。
取り付け面を基準にするのか。
どこを基準にするかによって、加工の進め方が変わります。
相手部品と組み付ける場合には、どの部分同士が関係しているのかを見る必要があります。
単品で寸法が合っているように見えても、基準の取り方が適切でなければ、組み付けたときにずれが出ることがあります。
研究開発用の試作品では、設計変更が入ることもあります。
外形が変わる。
穴の位置が変わる。
部品の一部だけ修正する。
そのとき、どこを基準にしているのかが明確なら、変更部分だけを考えやすくなります。
生産現場でも、基準は再現性に関係します。
毎回違う場所から寸法を取れば、結果にもばらつきが出やすくなります。
加工治具で位置決めする。
基準面を決める。
測定するときも同じ基準を使う。
こうすることで、加工と検査をつなげやすくなります。
プラスチック加工では、材料そのものが完全に同じ形で入ってくるとは限りません。
材料の外形をそのまま基準にすると、必要な位置関係を出しにくいこともあります。
そのため、最初に基準面を加工することがあります。
その面をもとに、次の加工へ進む。
一つの基準をつくることで、その後の工程を安定させます。
基準は、図面を読むためだけのものではありません。
加工する人。
測定する人。
組み付ける人。
それぞれが同じ位置関係を見られるようにするための考え方でもあります。
(株)アリスでは、加工を始める前にどこを基準にするかを考えます。
何を一番大切な位置関係として見るのか。
どの面を最初につくるのか。
その判断が、その後の加工を支えます。
ほんの一つの基準ですが、そこから部品全体の精度が組み立てられていきます。