人も工程も、平均化より適材適所で考える。
安定した組織をつくるために、全員が同じように仕事をできる状態を目指す考え方があります。
誰が担当しても、同じ手順で同じ結果を出せる。
一定の品質を守るためには、標準化や基本ルールが必要です。
しかし(株)アリスでは、すべてを均一にすることだけが、組織の強さではないと考えています。
人には、それぞれ異なる特性があります。
物事を論理的に整理することが得意な人。
現物を見ながら、細かな違いに気づける人。
新しい方法を考えることが得意な人。
一つの作業へ集中し、丁寧に仕上げることが得意な人。
相手の話を聞き、必要な情報をつなげられる人。
この違いをなくして全員を平均的にするよりも、それぞれの特性が活きるように仕事を組み立てたほうが、全体として高い力を発揮できる場合があります。
これは、加工工程を考えるときにも似ています。
すべての形状を一つの機械や工法で製作しようとすると、品質やコスト、納期に無理が生じることがあります。
切削加工が適した部品。
成形を選んだほうがよい数量。
専門的な表面処理や溶接が必要な仕事。
案件の条件に合わせて工法や設備、協力会社を選ぶことで、全体としてより良い結果をつくることができます。
人の役割も同じです。
全員に同じ能力を求めるのではなく、仕事に必要な力と、その人の特性を組み合わせる。
苦手な部分は別の人や仕組みで補い、得意な部分はさらに伸ばす。
そのほうが、無理が少なく、再現性のある仕事の流れをつくりやすくなります。
もちろん、得意なことだけを行い、基本的な責任を果たさなくてもよいわけではありません。
情報を共有する。
約束を守る。
問題があれば報告する。
必要なときには周囲と協力する。
仕事を成立させるための基本は、全員に求められます。
その共通の土台を持ったうえで、個々の強みを活かすことが大切です。
人材育成も、短所をなくして同じ形へ整えることだけではありません。
本人の強みを理解し、どのような役割で価値を生み出せるのかを一緒に考えることです。
長所が伸びれば、周囲から任される仕事が増えます。
自分の得意を通じてチームへ貢献できれば、仕事への自信や当事者意識も育っていきます。
(株)アリスでは、人も加工方法も、単純に平均化するのではなく、それぞれの特性を見極め、最適な場所で活かすことを大切にしています。
違いを弱点として消すのではなく、組み合わせることで力に変える。
その考え方が、開発試作の品質と、新しい価値を生み出す組織づくりにつながると考えています。