磨きから学んだこと【前編】
2021.10.07
(株)アリスでは、切削加工後の仕上げ工程として磨きを行うことがあります。
磨きというと、表面を綺麗にする作業というイメージを持たれるかもしれません。しかし実際に現場で磨きに携わっていると、それだけではないことが分かります。
磨き作業を始める前には、まず部品の状態を確認します。
どの程度の加工目が残っているのか。
どこから磨きを始めるのか。
どの番手を選ぶのか。
同じ材質であっても、加工条件や形状によって状態は異なります。そのため、毎回同じように進めれば良いというものではありません。
私は磨きという仕事を見ていて、上手な人ほど慌てないと感じています。
加工目を早く消そうとして力を入れすぎると、その時は綺麗になったように見えます。しかし次の工程になると前の番手のキズが残っていたり、形状が崩れていたりすることがあります。
透明化処理を行った際に、それまで見えなかったキズが現れることもあります。
そのため、磨きは目の前の状態だけを見て進める仕事ではありません。
今行っている作業が、次の工程にどう影響するのかを考えながら進める必要があります。
これはものづくり全体にも共通しているように思います。
目の前の問題を早く解決しようとすると、別の場所で新しい問題が発生することがあります。
一方で、一つひとつの工程を丁寧に積み重ねることで、結果として品質も安定し、やり直しも減っていきます。