「反乱」が始まったのではなく、境界が動いていた
2014.04.27
歴史書では、ある年に「反乱が起きた」と書かれます。
でも人間の世界では、その日に突然すべてが始まることは少ないと思います。
その前に不満がある。
小さな衝突がある。
交渉がある。
譲歩もある。
裏切りもある。
それでも暮らしは続く。
やがて何かをきっかけに大きな戦いになる。
東北で起きた抵抗も、そうだったのではないでしょうか。
律令国家の支配線が北へ動く。
城柵が建つ。
兵が来る。
移民が来る。
地域の人々の立場が変わる。
つまり「反乱が起きた」のではなく、その前から境界そのものが動き続けていた。
この見方に立つと、アテルイたちの立場も少し変わります。
中央の中で反旗を翻した人物なのか。
それとも、まだ中央の完全な支配下にはなかった地域で、外から伸びてくる
支配に抵抗した人物なのか。
同じ戦いでも、意味が変わります。
歴史では言葉一つで印象が決まります。
反乱。
征討。
平定。
帰順。
でも、その言葉を全部外して人間だけを置いてみると、
土地を守ろうとする人。
支配を広げようとする人。
戦争を避けたい人。
どちらにつくか迷う人。
利益のために寝返る人。
家族だけは守りたい人。
いろいろな人間がいたはずです。
私は、その複雑さまで含めてアテルイとモレの時代を見たいと思っています。
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