城柵が一つできると、世界が変わる
2014.04.26
律令国家が東北へ勢力を伸ばしていくと、各地に城柵が置かれていきます。
城柵という言葉から、砦だけを想像すると少し違います。
そこには役所があります。
兵士がいます。
倉があります。
物資が集まります。
道が整えられます。
人が移住してきます。
つまり城柵が一つ置かれるということは、その土地へ国家の仕組みが丸ごと入ってくることです。
これは現地の人にとってかなり大きな変化だったでしょう。
昨日まで自由に使っていた土地に、新しい管理者が現れる。
税や労役の仕組みが入る。
別の地域から人が来る。
交易相手も変わる。
場合によっては、土地そのものの使い方も変わる。
都側から見れば「支配地域の拡大」です。
でも地域側から見れば、生活環境そのものが変わる出来事です。
ここまで考えると、なぜ抵抗が起きたのかも理解しやすくなります。
単に「中央政府が嫌いだった」からではありません。
暮らしが変わる。
土地の支配が変わる。
今までの有力者の立場も変わる。
祭祀や地域社会まで変わる可能性がある。
それなら抵抗する人が出ても不思議ではありません。
アテルイとモレの戦いを理解するには、戦場だけを見てはいけないと思います。
その前に、何十年もかけて地域社会の周囲が少しずつ変化していた。
そしてあるところで、
「これ以上は入れさせない」
という地点が生まれた。
戦いは、その最後に表へ出てきた出来事だったのかもしれません。
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