仕事のルールは、人を縛るためのものではない
製造業の仕事には、さまざまなルールがあります。
図面の確認、材料の選定、加工手順、寸法検査、納期管理、出荷前の確認など、一つの製品が完成するまでには多くの工程があります。
こうした仕事を進めるうえで、ルールは欠かせません。
ただし、ルールを増やせば仕事がうまく進むのかというと、必ずしもそうではないと思います。
大切なのは、何のためにそのルールがあるのかを理解することです。
例えば、加工前に図面を確認するという基本的な作業があります。
単に「図面を確認してください」と伝えるだけでは、人によって確認する内容が異なるかもしれません。
寸法を確認する人もいれば、材料や数量を中心に見る人もいます。
しかし、実際のものづくりでは、寸法公差、材質、表面状態、使用環境、組み立てる相手部品との関係など、確認すべきことは案件によって変わります。
すべての案件に同じ確認項目を当てはめるだけでは、十分とはいえません。
だからこそ、基本となる確認事項を共有したうえで、それぞれの仕事に必要なことを考える姿勢が大切になります。
また、仕事を進めている途中で、図面と現物が違う、予定していた材料が入手できない、加工方法を変更する必要があるといった問題が起きることもあります。
そのとき、決められた手順だけを守ろうとしても、解決できない場合があります。
一人で判断してよいことなのか、確認が必要なことなのか。
誰に相談し、何を確かめてから進めるべきなのか。
そうした判断の基準が共有されていれば、仕事をする人も迷いにくくなります。
一方で、ルールを守ること自体が目的になってしまうと、本来大切にしなければならない品質やお客様の目的が見えにくくなることもあります。
(株)アリスでは、研究開発から生産現場まで、さまざまなものづくりに関わっています。
樹脂加工、金属加工、ゴム加工など、材料も製作方法も案件によって異なります。
同じ方法が、すべての仕事に適しているわけではありません。
基本を大切にしながら、状況に応じて考え、必要なことを確認する。
仕事のルールとは、人の行動を細かく縛るためだけのものではなく、安心して判断し、責任を持って仕事を進めるための共通の基準だと考えています。