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失敗を隠さず伝えることが、判断力を育てる。

2026.05.21

手加工の本番で失敗してしまったとき、最も大切なのは、慌てて自分だけで直そうとしないことです。

削ってはいけない部分まで削ってしまった。

工具が滑り、キズがついた。

仕上がりに違和感がある。

そのようなことに気づいたら、まず作業を止め、現在の状態を報告します。

(株)アリスでは、失敗したことだけを理由に厳しく責めることはありません。

大切なのは、その失敗を隠さず伝え、次の判断へつなげることです。

報告を受けた後は、その製品を継続して仕上げられるのか、新しい部品からやり直す必要があるのかを確認します。

図面の公差や使用目的に影響しない範囲であれば、仕上げ方法を変えて対応できる場合があります。

一方で、重要な寸法や機能に関係する部分を傷めていれば、再製作が必要になります。

この判断は、失敗した本人だけに任せるものではありません。

製品の状態を一緒に確認しながら、なぜ継続できるのか、なぜやり直す必要があるのかを説明します。

その経験を通じて、単にバリを取る方法だけでなく、製品のどこが重要なのか、品質をどのように判断するのかも覚えていきます。

難しい材質や形状では、最初から予備の部品を製作しておく場合もあります。

新しい作業には、一定のリスクがあるからです。

起こり得る失敗を想定し、問題が起きた場合にも対応できる準備をしておくことも、ものづくりの仕事の一部です。

もちろん、同じ失敗を何度も繰り返してよいわけではありません。

手を抜いた結果や、確認をせず無責任に進めた結果であれば、仕事への向き合い方を見直す必要があります。

しかし、一生懸命に取り組み、新しいことへ挑戦した中で起きた失敗には、次へ活かせる情報があります。

なぜ工具が滑ったのか。

力の掛け方に問題があったのか。

作業する順番を変えたほうがよいのか。

事前に練習する形状が足りなかったのか。

原因を整理し、方法を改善できれば、その失敗は次の仕事を安定させるためのデータになります。

まったく失敗しない状態が、必ずしも良いとは限りません。

経験したことのある簡単な仕事だけを続けていれば、失敗は減るかもしれません。

しかし、新しい材質や難しい形状へ挑戦しなければ、対応できる仕事の幅も広がりません。

(株)アリスでは、失敗そのものよりも、失敗した後にどのように行動するかを大切にしています。

隠さず報告する。

現物を確認する。

原因を考える。

必要な対応を判断し、次の方法へ反映する。

その積み重ねによって、手加工の技術だけでなく、品質を守るための判断力も身についていくと考えています。

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