PP(ポリプロピレン)の精密切削加工。軟質樹脂を正確に削る技術。
PP(ポリプロピレン)は、軽量で耐薬品性に優れた汎用プラスチック樹脂です。
容器や日用品などに広く使用されている材料ですが、工業分野でもさまざまな用途で利用されています。
薬液を扱う装置の部品や、各種タンク関連部品、治具、装置の構成部品など、使用環境に応じて採用されることがあります。
PPは、比較的軟らかく、粘りのある材料です。
そのため、硬い金属材料とは異なる考え方で切削加工を行う必要があります。
(株)アリスでは、PPをはじめとする各種プラスチック樹脂の精密切削加工に取り組んでいます。
PPの特徴と工業用途
PPの特徴の一つは、軽量であることです。
一般的な工業用樹脂の中でも密度が低く、部品の軽量化が必要な用途で選択肢になることがあります。
また、酸やアルカリなどに対して比較的良好な耐薬品性を示すことも特徴です。
ただし、すべての薬品に対応できるわけではありません。
薬品の種類や濃度、使用温度、接触時間などによって適合性は変わります。
そのため、薬品と接触する部品では、材料の耐薬品性データなどを確認することが必要です。
また、PPは金属や高剛性のエンジニアリングプラスチックと比較すると、剛性や耐熱性に制約があります。
長時間荷重がかかる場合には、クリープ変形についても考慮する必要があります。
使用目的に応じて、材料の長所と短所の両方を理解することが大切です。
軟らかい樹脂の加工が難しい理由
切削加工というと、硬い材料ほど難しいと思われるかもしれません。
しかし、PPのように軟らかく粘りのある材料にも、特有の難しさがあります。
例えば、切削加工中に材料が変形しやすいことです。
工具から加わる力によって材料が逃げると、想定した寸法や形状に仕上がらない場合があります。
また、部品を固定する際にも注意が必要です。
固定する力が強すぎると、材料が変形した状態で加工される可能性があります。
加工後に固定を解除すると、材料が元に戻ろうとして、寸法が変化することもあります。
さらに、PPは熱の影響にも注意が必要な材料です。
切削中の摩擦熱などによって、加工面の状態が悪化する場合があります。
そのため、工具の切れ味や切削条件、切りくずの排出などを考えながら加工する必要があります。
バリや表面状態にも注意する
PPは延性の高い材料であるため、加工条件によっては、切削した端部にバリが残りやすい場合があります。
特に小径穴や溝、薄い形状では、バリの除去方法にも注意が必要です。
無理にバリを取り除こうとすると、必要な形状まで変えてしまう可能性があります。
そのため、最初の切削加工でバリの発生をできる限り抑えることが重要です。
加工後の仕上げ作業だけに頼らず、工具の選定や加工方法を工夫する。
こうした考え方は、ほかの樹脂材料にも共通する大切な技術です。
PPの試作・少量多品種加工
PP製部品は、量産では射出成形などによって製作されることもあります。
しかし、研究開発段階や少量の専用部品では、金型を製作することが適さない場合があります。
そのようなとき、板材や丸棒材からの切削加工が選択肢になります。
一個だけ必要な試作品。
特殊な形状を持つ装置部品。
既存設備に合わせた交換部品。
こうしたものづくりでは、必要な形状を直接削り出すことができます。
ただし、PPは熱膨張やクリープなどによる寸法変化も考慮すべき材料です。
そのため、部品の用途や必要な精度によっては、設計段階から材料特性を踏まえた検討が必要になります。
(株)アリスでは、CAD/CAMやCNC工作機械を活用し、PPを含む樹脂材料の精密切削加工に取り組んでいます。
材料の軟らかさを理解することが、精密加工につながる
PPは、加工できる材料としては珍しいものではありません。
しかし、高い寸法精度や良好な表面品質を求める場合には、材料の特性に応じた技術が必要になります。
金属と同じ加工方法では、期待した結果にならないことがあります。
同じ樹脂でも、POMやMCナイロンとPPでは、剛性や加工時の挙動が異なります。
そのため、一つの加工方法をすべての材料に当てはめることはできません。
軟らかい材料には、軟らかい材料に合った加工方法がある。
材料の変形や熱、バリの発生などを考えながら、必要な品質を実現する。
(株)アリスは、PPの特性を理解し、研究開発から生産現場まで、さまざまな樹脂部品の精密切削加工に取り組んでいます。