試作金型から量産金型まで。10個から3,000個のものづくりを支える射出成形。【1】
プラスチック部品を射出成形で製作したい。
しかし、必要な数量はそれほど多くない。
最初は10個程度の試作品が必要で、製品として使用できることが確認できれば、100個、500個、1,000個と製作数量が増えていく。
あるいは、年間の使用数量はある程度決まっていても、毎月同じ数量を発注するわけではなく、在庫の状況に合わせて必要な数量を追加していきたい。
製品開発や生産現場では、このようなものづくりも少なくありません。
射出成形というと、数万個、数十万個といった大量生産を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際には少量の成形品を必要としているお客様もいます。
(株)アリスでは、こうしたご要望に対応するため、試作金型・簡易金型・量産金型の製作から、射出成形品の供給まで取り組んでいます。
現在お引き受けしている仕事には、10個程度の小ロットから、3,000個程度の成形品製作まで、さまざまな数量があります。
大切にしているのは、単に金型を製作することでも、成形品をつくることでもありません。
お客様が必要とする数量や使用期間、将来の生産計画まで考えて、適切な製作方法を選ぶことです。
金型の寿命は、製作する前に考える。
金型を製作するとき、重要になる条件の一つが、予定している生産数量です。
例えば、数十個の試作品を製作するための金型と、長期間にわたって繰り返し生産するための金型では、必要な構造や耐久性が異なります。
そのため、(株)アリスでは、金型を製作する前に、お客様と予定最大生産数量について打ち合わせを行います。
今回の製作だけで終わるのか。
今後も追加生産する予定があるのか。
将来的に、どの程度の数量まで増える可能性があるのか。
こうした内容を確認したうえで、金型の材質や構造、必要な表面処理などを検討します。
例えば、少量の試作では、必要な品質を確保しながら、金型の初期費用を抑える方法を検討できる場合があります。
一方、長期間にわたり繰り返し成形する場合には、金型の摩耗や保守性も重要になります。
また、ガラス繊維を含む樹脂などでは、材料による金型摩耗にも注意が必要です。
同じ製品形状でも、使用する樹脂や生産数量によって、適切な金型仕様は変わります。
最初の金型費用だけを優先してしまうと、追加生産の途中で修理や改修が必要になる可能性もあります。
反対に、少量しか製作しない部品に、必要以上の金型仕様を採用すれば、初期投資が大きくなってしまいます。
だからこそ、最初の打ち合わせが大切なのです。
金型の寿命は、長ければ長いほど良いという単純なものではありません。
必要な数量を、必要な品質で安定して製作できること。
その目的に合わせて、金型を考えることが重要です。
10個程度からの小ロット射出成形にも対応。
射出成形では、金型の製作費用が必要になります。
そのため、製作数量が少ない場合には、一個当たりの費用が高くなることがあります。
しかし、必要な数量が少ないからといって、射出成形が適さないとは限りません。
例えば、製品開発の段階で、実際の成形品を使用した評価を行いたい場合があります。
切削加工による試作品では確認できない、成形収縮や反り、樹脂の流動による影響などを確かめる必要があるかもしれません。
また、最終製品と同じ製作方法で成形した部品を、少数だけ必要とする場合もあります。
(株)アリスでは、こうした用途に向けて、10個程度の小ロット成形にも対応しています。
ただし、すべての製品で10個から対応できるという意味ではありません。
材質や形状、金型の構造、成形条件などによって、適切な製作数量は変わります。
そのため、お客様の目的や必要数量を確認し、切削加工による試作と射出成形のどちらが適しているかも含めて検討します。
最初から金型を製作する方法もあれば、切削加工で形状を確かめた後に金型製作へ進む方法もあります。
重要なのは、今の開発段階に合った方法を選ぶことです。
500トンクラスの成形機にも対応する製作ネットワーク。
射出成形では、製品の大きさや形状、使用する材料などによって、必要な成形設備が異なります。
小型の精密部品と、大きな樹脂部品では、適切な成形機の仕様も変わります。
(株)アリスでは、協力会社とのネットワークを活かし、500トンクラスの射出成形機を使用する仕事にも対応しています。
ここでいう500トンとは、成形機の型締力を表す数値です。
一回に500トンの材料を成形できるという意味ではありません。
実際に成形できる製品は、金型の大きさや樹脂の射出容量、製品の投影面積、必要な型締力など、複数の条件によって決まります。
そのため、製品の図面や3Dデータ、使用する材質などを確認したうえで、必要な成形設備を検討します。
また、(株)アリスでは、すべての加工設備を自社で保有することだけにこだわっていません。
仕事の内容に応じて、専門設備や技術を持つ協力会社と連携することで、対応できる範囲を広げています。
ただし、協力会社に依頼したからといって、仕事への責任が変わるわけではありません。
金型や成形品の仕様、製作工程、必要な品質などを確認しながら、引き受けた仕事を最後まで管理することを大切にしています。