仕事の向こうにいる人を、想像できるか。
一枚の図面を見て、どこまでのことを想像できるでしょうか。
そこには、材料や寸法、形状、必要な精度などが記載されています。
加工するための情報として、どれも重要なものです。
しかし、その図面の向こうには、実際に部品を使用する人がいます。
例えば、実験装置に組み込まれる部品であれば、研究者や開発技術者が使用することになります。
生産現場の治具であれば、毎日の作業を担当する人が手にするかもしれません。
設備の交換部品であれば、保全担当者が取り付けたり、調整したりすることもあるでしょう。
そうした人たちにとって、完成した部品は単なる加工品ではありません。
自分の仕事を進めるために必要なものです。
(株)アリスでは、製作するものが、どのような環境で、どのように使われるのかを考えることを大切にしています。
例えば、作業者が繰り返し使用する治具では、部品を取り付けるときの扱いやすさが重要になる場合があります。
設備の内部に組み込まれる部品では、周辺部品との関係や、交換するときの作業性が問題になることもあります。
研究開発用の部品であれば、実験の目的によって、優先するべき性能が変わります。
もちろん、製作する側だけですべてを判断することはできません。
実際の使用環境や設計意図については、お客様に確認する必要があります。
それでも、使用する人の存在を意識しているかどうかで、打ち合わせの内容や仕事の進め方は変わってきます。
なぜ、この形状なのだろう。
どうして、この部分に厳しい精度が必要なのだろう。
完成後、どのような作業が待っているのだろう。
そんな疑問を持つことが、仕事を深く理解するきっかけになります。
私たちは、ものづくりを機械と材料だけの仕事だとは考えていません。
設計する人、製作する人、組み立てる人、使用する人。
さまざまな立場の人が関わり、その先で一つの製品や設備が役割を果たしています。
自分たちの仕事が、その流れのどこにあるのか。
そして、次の人の仕事にどのようにつながっていくのか。
そこまで考えられることが、ものづくりに関わる人の大切な能力だと思っています。
良いものをつくるために、まず、そのものを使う人のことを考える。
(株)アリスは、図面の向こうにいる人たちにも目を向けながら、日々の仕事に取り組んでいます。