寸法を測ることも、ものづくりの一部
部品は、加工が終わったら完成というわけではありません。
つくったものが図面や要求された条件に合っているか。
それを確かめる工程があります。
寸法測定や品質確認です。
長さを測る。
厚みを測る。
穴の直径を測る。
穴と穴の位置を確認する。
必要に応じて平面や角度、組み付けの状態を見る。
部品によって確認する内容は変わります。
研究開発用の試作品でも、生産設備部品でも、必要なところが正しくできていることを確認して初めて、次の工程へ渡すことができます。
ただし、測定は数字を見るだけの作業ではありません。
どこを基準に測るのか。
どの測定器を使うのか。
どの部分を確認する必要があるのか。
そこを考える必要があります。
たとえば、一つの部品にたくさん寸法が書かれていても、そのすべてが同じ重要度とは限りません。
相手部品とはまる部分。
位置決めに使われる穴。
動作に関係する寸法。
研究や測定結果へ影響する部分。
こうしたところは、特に注意して確認する必要があります。
プラスチック加工では、樹脂材料ならではの特徴も考えます。
樹脂は、金属と比べて温度による寸法変化が大きい材料があります。
薄い部品や細長い部品では、置き方によってわずかに形が変わる場合もあります。
強く測定器を当てれば、柔らかい材料では測定値に影響することもあります。
そのため、ただ数字を読むだけではなく、材料の性質を考えながら測定します。
試作では、測定結果から次の改善につながることもあります。
狙った寸法になっていない。
加工後に少し変形した。
組み付けると想定より隙間が小さい。
そうしたことが分かれば、加工条件や工程を見直すことができます。
生産部品では、同じ寸法を継続して確認することで、加工状態の変化に気づく場合があります。
少しずつ寸法が変化している。
工具が摩耗してきた。
固定方法に変化が出ている。
測定は、完成品を合格か不合格かに分けるためだけに行うものではありません。
加工の状態を知るための情報にもなります。
(株)アリスでは、機械で削ることと測定することを別々の仕事とは考えていません。
つくる。
測る。
確認する。
必要なら加工方法へ戻す。
そこまでが一つのものづくりです。
加工したものを自分たちで確かめる。
その積み重ねが、次の仕事の精度にもつながっていきます。