加工治具も、製品と一緒に考えていく
機械加工では、材料をそのまま機械に置けば加工できるとは限りません。
材料をしっかり固定する。
加工する位置を決める。
同じ場所へ繰り返し取り付ける。
薄い部品が変形しないように支える。
そのために使うのが加工治具です。
研究開発用の試作品や一品加工では、製品そのものだけではなく、その製品をどう固定して加工するかを考えることがあります。
四角い材料であれば、比較的固定しやすい場合があります。
しかし、加工が進むにつれて形が変わります。
穴があく。
外周を削る。
薄くなる。
複雑な形になる。
最初は簡単につかめたものが、途中からつかめなくなることもあります。
だから加工工程を考えるときには、最後までどう固定するかを先に考えておく必要があります。
最初の工程だけを見て加工してしまうと、
次の工程でつかむ場所がない。
完成面を傷つけなければ固定できない。
薄い部分を押さえるしかなくなり、変形してしまう。
そんなことも起こります。
そこで、製品に合わせた加工治具をつくることがあります。
製品の形に合わせて受ける。
穴を利用して固定する。
必要な部分を支える。
同じ位置へ取り付けられるように基準をつくる。
治具そのものは最終製品には残りません。
それでも、製品を正しくつくるためには必要なものです。
小ロット加工では、治具にどこまで時間をかけるかという判断もあります。
一個の部品のために大掛かりな治具をつくれば、費用も時間も増えます。
反対に、治具をつくらず無理に加工すれば、品質が安定しなかったり、加工そのものが難しくなったりします。
そのため、その仕事に必要な程度の治具を考えます。
簡単なプレートだけでいい場合もあります。
専用形状の受けが必要な場合もあります。
数量が増えれば、繰り返し使える治具をつくった方がよいこともあります。
加工治具にも、一つの決まった答えがあるわけではありません。
製品形状。
材質。
精度。
数量。
加工工程。
それぞれの条件を見ながら考えます。
(株)アリスでは、完成した部品だけをものづくりとは考えていません。
その部品をつくるために必要な治具を考えることも、技術の一つです。
製品を考える。
加工工程を考える。
そして、その工程を支える治具を考える。
表には出にくい仕事ですが、その積み重ねが一つの部品の品質を支えています。