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試作の一個が、次の量産を変える

2016.02.08

研究開発や製品開発では、最初の一個がその後のものづくりを大きく変えることがあります。

試作品を一つつくる。

実際に組み付ける。

動かしてみる。

使ってみる。

そこで初めて、図面だけでは見えなかったことが分かります。

思っていたより組み立てにくい。

工具が入りにくい。

部品を取り外しにくい。

強度は十分でも、少し重い。

形状は問題ないが、加工に時間がかかる。

こうした気づきは、量産へ進む前だからこそ活かすことができます。

試作加工には、形を確認するだけではなく、これからどうつくっていくかを考える役割があります。

一個だけなら問題なく加工できても、数量が増えると同じ方法では効率が悪くなる場合があります。

毎回細かな位置合わせが必要になる。

加工するたびに寸法確認へ時間がかかる。

材料の固定に手間がかかる。

工程数が多すぎる。

試作の段階では対応できても、生産数が増えれば改善した方がよい部分が見えてきます。

そこで治具を考える。

加工する順番を変える。

使用する工具を見直す。

材料の取り方を考える。

必要なら製品形状について相談する。

そうした積み重ねで、生産しやすい方法へ近づけていきます。

これは、単に早くつくるためだけではありません。

加工方法が安定すれば、品質も安定しやすくなります。

同じ位置に固定できる。

同じ基準で加工できる。

測定する場所を決められる。

作業する人が変わっても、同じ方法でつくりやすくなる。

生産現場では、こうした再現性も重要になります。

研究開発から量産へ進む仕事では、設計と加工が別々に存在しているわけではありません。

試作で分かったことを設計へ戻す。

設計変更を加工方法へ反映する。

加工して分かったことを、また次へつなぐ。

そうやって少しずつ形とつくり方が整っていきます。

(株)アリスでは、試作品を「とりあえず一個つくるもの」とは考えていません。

その一個から何が分かるのか。

次につくるものをどう変えられるのか。

量産へ進んだとき、どんな方法が必要になるのか。

そこまで考えることで、一個の試作品が次のものづくりにつながります。

最初の一個は、小さく見えるかもしれません。

しかし、その一個から得た経験が、次の十個、百個、その先の生産を変えることがあります。

試作の一個には、それだけの意味があります。

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