民が覚える王と、歴史書が覚える王は違うのかもしれない
2014.09.02
歴史書には、何代目の王、何年即位、どこへ軍を送った、と記録されます。
でも土地の人が残す記憶は違います。
水を引いてくれた。
飢饉の時に税を取らなかった。
村を守った。
大きな災害の時に助けた。
そういう人物が残ります。
仁徳天皇の「民のかまど」の話が長く語られてきたのも、その象徴でしょう。実際の出来事だったのか、後世の理想的な王の物語なのかは別として、「民を苦しませない王が良い王だ」という価値観が残ったことは分かります。
ここが大切だと思います。
巨大な墓を作ったから尊敬されたのではない。
軍を強くしたから慕われたとも限らない。
人々が残したい王の物語は、
「自分たちの暮らしを見てくれた人」
です。
だから地域に残る英雄伝承を見る時、私はその人物が何をしたと語られているのかを気にします。
敵を何人倒したか。
それとも、民を守ったか。
水を引いたか。
飢えた人を助けたか。
後世の人間が何を覚えたかを見ると、その社会が何を大切にしていたのかまで見えてきます。
歴史書には支配者の業績が残る。
土地には、人々の評価が残る。
その二つが違う時こそ、面白いのだと思います。
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