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須恵器を作った人たちは、古代のものづくり専門家だった

2013.05.31

須恵器を見ると、私はどうしても「昔の焼き物」というより、ものづくりの製品として見てしまいます。

土を取る。

形を作る。

乾かす。

窯へ入れる。

高い温度で焼く。

言葉にすると簡単ですが、実際にはかなり難しい仕事だったはずです。

土なら何でもいいわけではありません。

水分が多すぎれば形が崩れます。

乾燥が足りなければ割れることもあります。

窯の中でも火の強さや空気の流れによって仕上がりが変わります。

今のように温度計があるわけでもありません。

炎の色や音、経験から判断していたのでしょう。

つまり、そこには長い経験を持った職人が必要です。

しかも一人の職人だけでは大量の須恵器を作ることはできません。

土を掘る人。

運ぶ人。

薪を集める人。

窯を作る人。

形を作る人。

焼く人。

完成したものを運ぶ人。

食料を作って職人たちの暮らしを支える人も必要です。

大きな窯業地域が成立するためには、その周りに多くの仕事があったはずです。

陶邑のように窯が集中した地域を見ると、私は現在の工業地域と少し似たものを感じます。

材料がある。

技術者がいる。

燃料がある。

運ぶ道がある。

そして製品を必要とする場所とつながっている。

一つでも欠ければ成り立ちません。

さらに技術は、一度できれば終わりではありません。

もっと割れにくくする。

もっときれいに焼く。

同じものを繰り返し作れるようにする。

失敗を見て、次の焼成で変える。

古代の職人たちも、そんな試行錯誤を何度も繰り返したのではないでしょうか。

そう考えると、千年以上前の人たちの仕事が急に身近になります。

時代や道具は違っても、ものづくりの本質はあまり変わっていない。

材料を知り、設備を知り、失敗しながら条件を覚える。

須恵器の一つ一つには、そんな古代の技術者たちの積み重ねが残っているのだと思います。

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