続けたからこそ、見えるものがある。
研究開発現場から生産現場までのものづくりに携わっていると、技術や知識だけではなく、経験を積み重ねることの大切さを感じます。
私自身、以前は技術商社で、工場設備やFAライン機器、空調設備、量産部品などを扱う仕事をしていました。
ものづくりには関わっていましたが、試作品については製作をお願いする立場でした。
そのため、実際に試作品がどのように考えられ、どのようにつくられているのかについては、ほとんど知識がない状態からのスタートでした。
試作の仕事に携わるようになってからは、毎日が勉強でした。
材料を知る。
加工方法を知る。
図面を見る。
短い納期の中で工程を考える。
製作が思ったように進まなければ、別の方法を考える。
分からないことがあれば、周囲の方に教えていただく。
ゆっくり立ち止まって勉強してから仕事を始めるというより、目の前にある仕事と向き合いながら、一つずつ覚えていく日々でした。
その中で、お客様からも本当に多くのことを教えていただきました。
励ましていただいたこともあります。
厳しくご指摘いただいたこともあります。
当時は必死に対応していたことでも、振り返れば、その一つひとつが次の仕事を考えるための経験になっています。
そして、試作の仕事に携わって三年半ほど経った頃、自分の中で少し見え方が変わりました。
それまでは、
「この試作品を、どうやってつくるか。」
を考えることが中心でした。
そこから、
「この試作品で、お客様は何を確認したいのだろう。」
「どうすれば、お客様の開発に役立てるのだろう。」
と考えることが自然になっていきました。
試作品をつくること自体が目的ではなく、その先にある研究や開発を進めるためにつくる。
そのことが分かってきた頃から、試作の仕事そのものを以前より面白く感じるようになりました。
振り返ると、それまで一つずつ積み重ねてきた経験が、少しずつ判断するための材料に変わっていったのだと思います。
以前経験した加工。
うまくいかなかった方法。
お客様から教えていただいたこと。
協力会社から学んだこと。
自分で考えて試したこと。
その一つひとつが残っているから、次に似た仕事が来たとき、
「この場合は、こう考えてみよう。」
と判断できるようになります。
もちろん、経験が長ければ何でも分かるわけではありません。
新しい材料もあります。
初めて見る形状もあります。
これまで経験したことのない課題にも出会います。
だからこそ、経験だけに頼るのではなく、新しいことも学び続けます。
そのうえで、実際にやってみた経験を次の仕事へ活かしていく。
(株)アリスでは、その繰り返しを大切にしています。
知識として知っていることと、実際の仕事の中で経験したことは、少し違います。
自分で考える。
やってみる。
結果を見る。
失敗すれば原因を考える。
次は方法を変えてみる。
そうして積み重ねた経験が、やがて自分で判断する力になっていきます。
続けたからこそ、見えるものがあります。
経験したからこそ、分かることがあります。
そして、以前は難しいと感じていた仕事でも、経験を重ねることで、その面白さが見えてくることがあります。
(株)アリスも、これまで積み重ねてきた経験を大切にしながら、新しいことを学び、次の仕事へ活かしていきます。
一つひとつの経験を、次のより良い判断へつなげる。
これからも、その積み重ねによって、研究開発から生産現場までのものづくりに向き合っていきます。