カタチには意味がある|機能から考えるプロダクトデザイン
製品の形状を見ていると、「なぜ、このカタチになっているのだろう」と考えることがあります。
一見するとシンプルな形状でも、実際に使ってみると、持ちやすさ、押しやすさ、見やすさ、置きやすさなど、それぞれの部分に理由があることに気づきます。
プロダクトデザインにおいて重要なのは、外観を美しく整えることだけではありません。人がどのように持ち、どの方向から操作し、どのような環境で使用するのか。そうした使用条件を整理した結果として形状が決まっていきます。
例えば、角を丸くすることにも意味があります。手に触れる部分であれば安全性や触感に関係し、清掃する製品であれば汚れが残りにくい形状として機能します。わずかな傾斜や段差にも、視認性を高めたり、部品の位置を自然に認識させたりする役割が考えられます。
こうした「理由のあるカタチ」は、装飾を増やすこととは異なる魅力があります。
(株)アリスが開発ものづくりに携わるなかでも、3Dデータを確認すると、何気なく見える曲面やR形状、肉厚の変化に設計者の意図が込められていることがあります。
その意図を理解せず、単純に「加工しやすい形状」へ変更してしまえば、本来の使い勝手やデザイン性を損なう可能性があります。
一方で、設計された形状をそのまま製作することが常に最適とも限りません。工具が届かない、薄肉で変形する、磨くことができないなど、製造上の条件によって成立しにくい形状もあります。
重要なのは、デザインの意図と製作条件の両方を理解したうえで、どこを守り、どこを調整できるのかを判断することです。
機能から生まれたシンプルな形状ほど、細部には多くの工夫があります。
カタチには意味がある。
(株)アリスでは、図面や3Dデータに表現された形状を単なる加工対象として見るのではなく、その形状が必要とされた理由まで考えながら、試作や開発ものづくりに向き合っています。