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デザイン形状をそのまま加工できるとは限らない|意匠と製造性を両立する考え方

2026.04.03

プロダクトデザインでは、わずかな曲面やR、段差の違いによって製品の印象が大きく変わります。

特に機能美を追求したシンプルな製品ほど、形状を構成する一つひとつの要素が目立つため、設計したカタチをどこまで忠実に実物へ反映できるかが重要になります。

しかし、3Dデータとして成立している形状が、そのまま機械加工でも成立するとは限りません。

切削加工では工具を使用して材料を削るため、工具径より小さな内Rは加工できません。また、深い溝や狭い部分では工具の突き出し量が長くなり、振動や工具のたわみによって加工面や寸法精度が安定しにくくなる場合があります。

薄肉形状も同様です。

外観上は美しい薄肉設計でも、樹脂では加工中の切削抵抗や材料内部の応力によって変形することがあります。透明部品であれば、加工後の研磨や透明化処理まで考えて肉厚を設定する必要があります。

このような場合、単純に「加工できません」と判断するのではなく、その形状が持つ意味を確認することが重要です。

デザイン上どうしても必要な曲面なのか。手が触れるためのRなのか。周辺部品との干渉を避けるための形状なのか。外観だけを目的とした部分なのか。

形状の目的が分かれば、設計意図を残したまま製造可能な形状へ調整できるケースがあります。

反対に、見た目には小さな変更であっても、製品の使い勝手や印象を大きく変えてしまう部分であれば、加工側の都合だけで変更すべきではありません。

設計と加工の間で重要になるのは、「どこまで加工できるか」だけではなく、「何を変えてはいけないか」を共有することです。

(株)アリスでは、3Dデータから試作品を製作する際、工具、材料、加工方向、仕上げ方法などの製造条件を確認しながら、設計されたカタチの意味をできるだけ損なわない方法を検討しています。

機能美を持つ製品ほど、シンプルなカタチの中に理由があります。

その理由を理解して実物へつなげることも、開発試作における大切な技術判断の一つだと考えています。

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