ガラス繊維強化ナイロンの切削加工から試作金型・簡易金型・量産金型まで。開発段階に合わせたものづくり。【2】
試作金型による射出成形。実際の成形品で確かめる。
切削加工による形状確認が進むと、次に射出成形品としての性能を評価したくなる場合があります。
例えば、樹脂が金型内を流れる状態や、成形時の収縮、反り、ウェルドラインなどの影響です。
また、ガラス繊維強化ナイロンでは、射出成形時の樹脂の流れによってガラス繊維が一定の方向に配向することがあります。
その結果、方向によって収縮率や機械的特性が異なる場合があります。
こうした現象は、切削加工による試作品だけでは十分に評価できないことがあります。
そこで、試作金型による射出成形が重要になります。
実際の成形方法に近い条件で部品を製作することにより、製品形状や材料特性、成形性などを確認できます。
ただし、試作金型で得られた結果が、量産金型で完全に同じになるとは限りません。
金型構造やゲート位置、冷却条件、成形機などによって、成形品の状態は変わる場合があります。
そのため、評価の目的を明確にし、次の段階で確認すべき課題を整理することが重要です。
簡易金型による少量成形。試作と量産の間をつなぐ。
製品の形状や機能がある程度固まってきても、すぐに大量生産へ進むとは限りません。
実際の使用環境で評価したい。
複数の試験を行うために、ある程度の数量が必要になる。
市場評価や限定的な製品供給を行いたい。
こうした場合には、簡易金型による射出成形が選択肢になります。
簡易金型は、製品の形状や必要な成形数量、材質などに応じて、金型の構造や製作方法を検討するものです。
量産金型と比較して、初期費用や製作期間を抑えられる場合があります。
ただし、簡易金型だからといって、すべての材料や形状に適しているわけではありません。
ガラス繊維を含む材料は、金型の摩耗にも影響するため、使用する金型材料や成形数量などを考える必要があります。
また、製品の要求精度や表面品質によっては、簡易的な金型構造では対応が難しい場合もあります。
そのため、必要な数量と品質、将来の生産計画を踏まえて、金型の仕様を検討することが大切です。