ガラス繊維強化ナイロンの切削加工から試作金型・簡易金型・量産金型まで。開発段階に合わせたものづくり。【1】
新しい製品を開発するとき、最初から量産金型を製作するとは限りません。
まずは試作品をつくり、形状や機能を確認する。
実際に組み立ててみる。
必要な強度や使いやすさを確かめる。
その結果をもとに設計を見直し、次の試作へ進む。
そして、製品としての仕様が固まってきた段階で、射出成形による試作や量産を検討していきます。
(株)アリスでは、ガラス繊維強化ナイロンなどのエンジニアリングプラスチックを対象に、切削加工による試作品の製作から、試作金型・簡易金型・量産金型を活用した成形品の製作まで、開発段階に応じたものづくりに対応しています。
大切なのは、最初から一つの製作方法に決めることではありません。
お客様が今、何を確認したいのか。
次の開発段階で、どのような評価が必要になるのか。
そして、将来どのような方法で製品を生産するのか。
その目的に合わせて、適切な製作方法を考えることです。
ガラス繊維強化ナイロンとは。
ナイロンは、ポリアミド(PA)と呼ばれるエンジニアリングプラスチックの一種です。
PA6やPA66など、さまざまな種類があり、機械的強度や耐摩耗性、耐熱性などの特徴を活かして、機械部品や自動車関連部品、電気・電子機器などに使用されています。
さらに、ガラス繊維を加えることで、剛性や強度、耐熱性、寸法安定性などを高めた材料が、ガラス繊維強化ナイロンです。
一般的には、PA6-GF30やPA66-GF30などの材料表記が使用されます。
GF30は、ガラス繊維を質量比で30%配合した材料を表します。
ただし、同じGF30であっても、ベースとなるナイロンの種類や材料メーカー、グレードによって特性は異なります。
そのため、製作する部品に必要な性能を確認し、適切な材料を選ぶことが重要です。
切削加工による試作。金型をつくらず、まず形状を確認する。
研究開発の初期段階では、設計した形状が実際に組み立てられるか、目的とする機能を果たすかを確認したい場合があります。
この段階で量産金型を製作すると、設計変更のたびに金型の修正が必要になる可能性があります。
そこで有効なのが、ブロック材や板材などから直接削り出す切削加工です。
CADデータをもとに加工プログラムを作成し、CNC工作機械で必要な形状に仕上げます。
金型を使用しないため、一個からの試作や少量の評価用部品、設計変更を伴う試作品の製作に適しています。
ガラス繊維強化ナイロンの切削加工では、ガラス繊維による工具摩耗や、加工面の状態、材料の固定方法などに注意が必要です。
また、ナイロン系樹脂には吸水によって寸法や機械的特性が変化する性質があるため、使用環境や測定条件も考慮しなければなりません。
切削加工は、形状や組立性を早い段階で確認できる方法ですが、射出成形品と同じ材料性能が再現されるとは限りません。
特に、ガラス繊維の配向状態が異なる場合には、強度や変形の傾向に違いが生まれることがあります。
そのため、何を評価するための試作品なのかを明確にすることが大切です。