ChatGPTソラ先生と学ぶ!中級者のためのAI実践講座【第14回】ChatGPTで情報整理と共有を改善する方法|社内資料・メール・議事録を探しやすくする実践講座
こんにちは、ソラ先生です。
前回は、ChatGPTを使ってリスクを洗い出し、問題が起きる前に対策を考える方法を学びました。
今回は、日常業務の中で、多くの人が経験している問題を取り上げます。
テーマは「情報の整理と共有」です。
皆さんは、こんな経験はありませんか?
「以前作成した資料が、どこに保存されているのか分からない」
「同じようなファイルがいくつもあり、どれが最新版なのか判断できない」
「メールで確認したはずの内容を、もう一度探している」
「過去に同じ問題を解決したのに、その記録が見つからない」
「担当者が変わると、必要な情報が分からなくなる」
パソコンやインターネットが普及し、仕事で扱う情報は増え続けています。
しかし、情報をたくさん保存していても、必要なときに見つからなければ、その価値を十分に活かせません。
例えば、過去に製作した製品の加工記録が残っていても、誰もその存在を知らなければ、同じ加工条件を最初から検討することになるかもしれません。
ChatGPTは、情報の分類方法を考えたり、資料の内容を整理したり、検索しやすい仕組みをつくる手助けができます。
今回は、「情報を集める → 分類する → 探せる状態にする → 共有する → 更新する → 活用する」 という流れを、具体的な事例を使って学んでいきましょう。
1.なぜ、保存した資料が見つからなくなるのでしょうか?
例えば、ある会社では、仕事の資料をパソコンの共有フォルダーに保存しているとします。
見積書。
注文書。
図面。
検査記録。
納品書。
打ち合わせの議事録。
設備の取扱説明書。
こうした資料が日々増えていきます。
最初は問題なく管理できていても、数年経過すると、フォルダーやファイルの数が増え、必要な資料を探すのが難しくなる場合があります。
例えば、次のようなファイル名があったとします。
「見積書.xlsx」
「見積書_修正.xlsx」
「見積書_最新版.xlsx」
「見積書_最新版2.xlsx」
「見積書_最終修正.xlsx」
どのファイルを使えばよいのでしょうか。
作成した本人なら分かるかもしれません。
しかし、別の担当者には判断できない可能性があります。
この問題は、単にファイル数が多いことだけが原因ではありません。
どのようなルールで保存し、どの情報を正式なものとして扱うのかが明確になっていないことも関係しています。
2.情報整理は、フォルダーを作ることから始めない
資料を整理しようとすると、最初にフォルダーを細かく分けたくなるかもしれません。
しかし、分類を増やせば必ず探しやすくなるわけではありません。
例えば、同じ図面について、
「お客様別」
「製品別」
「製作年度別」
「加工方法別」
という分類が考えられます。
どれも意味があります。
しかし、これらの分類をすべてフォルダー階層として組み合わせると、保存場所が複雑になる可能性があります。
また、同じ資料を複数のフォルダーにコピーすると、どれが最新版なのか分からなくなることもあります。
そこで、まず考えたいのは、利用者がどのような方法で資料を探しているかということです。
お客様の名前から探すのでしょうか。
製品の品番から探すのでしょうか。
製作した年月から探すのでしょうか。
それとも、過去の不具合や加工方法から探すのでしょうか。
ChatGPTには、次のように相談します。
実践プロンプト①
「社内の共有フォルダーに資料が増え、必要な情報を探しにくくなっています。フォルダー構成を提案する前に、どのような資料があり、社員がどのように検索しているのか確認する質問を一つずつしてください」
このようにすると、実際の仕事に合った整理方法を考えることができます。
3.実践例|製造業の技術資料を整理する
ここからは、具体的な事例を考えてみましょう。
ある製造会社では、過去に製作した部品の情報を保存しています。
図面データ。
加工プログラム。
使用した材料。
加工条件。
検査結果。
製作中に発生した問題。
改善した内容。
こうした情報が、案件ごとに保存されています。
しかし、資料の保存方法が担当者によって異なるため、過去の仕事を探しにくくなっています。
そこでChatGPTに相談します。
利用者:
「過去に製作した部品の加工記録を整理したいです。製品名だけでなく、材料や加工方法からも探せるようにしたいのですが、どのような管理方法が考えられますか?」
ChatGPTの回答例:
「案件番号や品番を基本の識別情報として管理し、材料、加工方法、製作日、関連資料の保存先などを一覧表に整理する方法が考えられます」
ここで重要なのは、すべての資料を一つのファイルへまとめる必要はないということです。
例えば、図面は元の場所に保存したまま、案件管理表から保存先を参照する方法もあります。
その場合、同じ図面を何度もコピーする必要がなくなります。
ただし、保存先の変更やファイル名の変更によって、リンクが使えなくなる場合があります。
そのため、実際に運用する仕組みでは、保存場所の管理方法も検討する必要があります。
4.ファイル名のルールを決めてみよう
情報整理では、ファイル名を統一することも役立ちます。
例えば、次のような名前です。
20261026_A001_加工記録_v01.xlsx
この名前には、次の情報が含まれています。
20261026:日付。
A001:案件番号。
加工記録:資料の種類。
v01:版番号。
このようなルールを使えば、ファイル名だけでも内容を推測しやすくなります。
ただし、これは一つの例です。
実際には、会社の管理方法に合わせて決める必要があります。
例えば、案件番号だけで資料を特定できる会社なら、日付を必ずしも入れる必要はありません。
また、正式な文書管理システムを使用している場合は、その仕組みに従う方が適切です。
ChatGPTには、次のように質問します。
実践プロンプト②
「社内資料のファイル名を統一したいです。案件番号、資料の種類、作成日、版番号などを使った命名規則を3案考えてください。それぞれの長所、短所、運用上の注意点を比較してください」
重要なのは、複雑なルールを作ることではありません。
担当者が迷わず保存でき、別の人が見ても内容を判断しやすいことです。
5.最新版をどうやって管理する?
資料の管理で特に重要なのが、版の違いです。
例えば、製作途中で図面が変更されたとします。
最初の図面では、穴の直径が10mmでした。
変更後の図面では、穴の直径が12mmになりました。
もし製造担当者が古い図面を使用すれば、異なる仕様の製品を製作してしまう可能性があります。
このような問題を防ぐためには、正式な最新版を明確にする必要があります。
例えば、次の項目を管理します。
資料番号。
改訂番号。
更新日。
変更内容。
正式な保存場所。
承認状況。
過去版の取り扱い。
ここで注意したいのは、ファイル名に「最新版」と書くだけでは十分ではないことです。
誰が正式な版として承認したのか、実際にどの版を使用するべきなのかを確認できる仕組みが必要です。
実践プロンプト③
「製造業の図面や技術資料について、旧版を誤って使用することを防ぎたいです。最新版の識別、改訂履歴、承認状況、旧版の管理について、実務で必要な確認項目を整理してください」
ChatGPTは管理方法を考える手助けができますが、実際の図面の正式な改訂番号を自動的に判断できるとは限りません。
必ず正式な資料や管理記録を確認しましょう。
6.情報を一覧表にすると、何が変わる?
資料を整理するとき、フォルダーだけで管理するのではなく、一覧表を利用する方法があります。
例えば、次のような表です。
| 案件番号 | 資料名 | 材料 | 作成・更新日 | 保存先 |
|---|---|---|---|---|
| A001 | 加工記録 | POM | 2026/10/10 | 案件A001 |
| A002 | 加工記録 | PEEK | 2026/10/15 | 案件A002 |
| A003 | 検査記録 | アルミニウム | 2026/10/20 | 案件A003 |
※内容は説明用の架空のデータです。
このような表があれば、案件番号だけでなく、材料や資料の種類でも検索できます。
Excelなどのフィルター機能を使う方法も考えられます。
ただし、一覧表を作成するだけでは十分ではありません。
新しい案件が発生したときに登録する人は誰なのか。
資料が更新されたとき、一覧表も変更するのか。
保存先が移動した場合、どのように修正するのか。
こうした運用方法も決める必要があります。
ChatGPTには次のように相談できます。
実践プロンプト④
「社内の技術資料をExcelの一覧表で管理したいです。案件番号、材料、加工方法、資料の種類、保存先などから検索できる構成を考えてください。実際に更新し続けられるよう、入力項目を増やしすぎない方法も提案してください」
7.同じ情報を何度も入力しない仕組みを考える
情報整理を始めると、管理項目が増えることがあります。
しかし、管理するための作業が増えすぎると、利用されなくなる可能性があります。
例えば、受注管理表にはすでに案件番号、顧客名、製品名、納期が登録されているとします。
それなのに、技術資料の管理表にも同じ情報をすべて手入力していたら、重複作業が発生します。
そこで、既存の情報を利用できないか考えます。
例えば、案件番号を共通の識別情報として利用する方法です。
この場合、案件番号から必要な資料を探せる仕組みを検討できます。
ただし、実際にシステムを連携できるかどうかは、利用しているソフトウェアやデータ構造によって異なります。
実践プロンプト⑤
「受注管理表と技術資料管理表で、同じ案件情報を入力しています。案件番号を共通の識別情報として利用し、重複入力を減らす方法を考えてください。実際のファイル構成を確認するまで、具体的な数式や設定を決めつけないでください」
重要なのは、資料管理を新しい負担にしないことです。
8.ChatGPTに資料を読み込ませて整理する
ChatGPTには、利用環境によってPDF、Word、Excelなどのファイルをアップロードし、その内容について質問できる機能があります。
例えば、複数の会議資料を整理したい場合です。
会議ごとに議事録が保存されているものの、過去に何が決まったのか分からなくなっているとします。
そこで、関連する議事録をChatGPTに読み込ませ、次のように質問します。
実践プロンプト⑥
「添付した議事録から、設備導入に関する決定事項を時系列で整理してください。会議日、決定内容、担当者、期限、未決定事項をまとめてください。資料に記載されていない内容は推測で補わず、出典となるファイル名や該当箇所を示してください」
このようにすれば、複数の資料から必要な情報を取り出す作業を支援できます。
ただし、注意が必要です。
ファイルを読み込ませたからといって、すべての内容を正確に理解できるとは限りません。
特に、複雑な表、図面、画像、手書き資料などでは、読み取りに誤りが発生する可能性があります。
重要な内容については、元の資料を確認する必要があります。
また、社外秘や取引先の機密資料を入力する場合には、契約条件や会社の情報管理ルールに従ってください。
9.過去のメールから、重要な決定を探す
仕事では、メールによって重要な条件が決まることがあります。
例えば、お客様との打ち合わせ後に、図面変更や納期変更についてメールで確認していた場合です。
数か月後、同じ案件について調べる必要が生じたとします。
しかし、メールが何十通も残っていて、どこに重要な情報が書かれているのか分かりません。
このような場合、ChatGPTを使って情報を整理する方法があります。
例えば、必要な範囲のメール本文を、適切な情報管理のもとで用意します。
そして、次のように依頼します。
実践プロンプト⑦
「次のメールのやり取りから、正式に合意した内容、提案段階の内容、未解決の事項を分けて整理してください。日時と発信者を確認し、どのメールに根拠があるか示してください」
ここで重要なのは、メールに書かれているすべての内容が、正式な決定とは限らないことです。
例えば、
「納期を来週へ変更できるか確認します」
という文章は、変更が確定したことを意味しません。
一方、
「関係者と確認した結果、納期を10月30日に変更することで合意しました」
という文章なら、決定事項を示している可能性があります。
ただし、実際の契約条件や承認権限によって、正式な合意の判断が変わる場合もあります。
文章の中から重要な情報を探すだけでなく、その情報が何を意味しているのか確認することが必要です。
10.情報の保存場所と、検索する仕組みは別に考えられる
資料管理では、すべてのファイルを一つの場所へ移動しなければならないと思うかもしれません。
しかし、必ずしもそうではありません。
例えば、技術図面は図面管理の仕組みで保存する。
会計資料は会計用のフォルダーで管理する。
議事録は会議資料のフォルダーに保存する。
それぞれ、用途に応じた管理方法を残すこともできます。
そのうえで、資料の所在や関連情報を整理する方法があります。
例えば、案件番号を使って、関連する図面、見積書、加工記録、検査記録などの保存先を参照できる仕組みです。
ただし、資料を横断して検索できるようにするには、アクセス権限やシステムの対応状況を確認する必要があります。
ChatGPTには次のように相談できます。
実践プロンプト⑧
「社内資料は、図面、見積書、検査記録、議事録など、種類ごとに異なる場所へ保存されています。すべてを移動せずに、案件番号から関連資料を探しやすくする方法を検討してください」
このような発想によって、既存の運用を大きく変えずに改善できる場合があります。
11.検索できる情報と、共有してよい情報は違う
情報共有では、必要な人が情報を利用できることが大切です。
しかし、社内のすべての情報を、全員が自由に閲覧できるようにすればよいわけではありません。
例えば、人事情報、給与情報、契約条件、原価情報、取引先の秘密情報などです。
こうした情報には、閲覧できる人を制限する必要がある場合があります。
そこで、情報を整理するときには、保存場所だけでなく、閲覧権限も考えます。
例えば、
通常の業務資料。
部署内で共有する資料。
管理者だけが確認する資料。
取引先との契約により利用範囲が制限される資料。
このように区分を検討できます。
ただし、実際のアクセス権限は、会社の体制や情報の内容に合わせて設定する必要があります。
実践プロンプト⑨
「社内資料の共有方法を見直したいです。情報の重要度、閲覧する必要がある担当者、取引先との守秘義務を踏まえて、アクセス権限を整理するための確認項目を考えてください」
重要なのは、情報を共有することと、情報を守ることを両立させることです。
12.古い情報を残すべきか、削除するべきか?
資料が増えてくると、古いファイルを削除したくなることがあります。
しかし、古い資料にも価値がある場合があります。
例えば、過去の図面や加工記録です。
現在は使用していなくても、過去に製作した製品について問い合わせがあれば、確認が必要になるかもしれません。
また、過去のトラブル記録は、同じ問題が発生した場合の参考になることがあります。
一方、古い資料が現在の正式な情報と混在していると、誤使用につながる可能性もあります。
そこで、削除するかどうかだけでなく、保管と利用の方法を考えます。
例えば、
現在使用する正式な資料。
参考用として保管する過去資料。
保存義務がある記録。
保存期間が終了し、削除を検討できる情報。
このように区別することが考えられます。
ただし、保存期間については法令や契約、会社の管理規程などによって異なるため、確認が必要です。
ChatGPTには次のように質問できます。
実践プロンプト⑩
「社内資料の整理を進めています。現在使用する資料、過去の参考資料、保存義務がある資料を区別するための管理方法を考えてください。保存期間や削除の可否が不明なものは、勝手に削除対象としないでください」
13.情報の整理で、失敗しやすいこと
情報整理を進めるとき、いくつか注意したいことがあります。
例えば、フォルダー構成を大きく変更した結果、以前の保存場所が分からなくなる場合です。
また、ファイル名を一括で変更したことで、ほかの資料から参照できなくなる可能性もあります。
さらに、複数の担当者が同じファイルを編集すると、変更内容が競合する場合があります。
こうした問題を防ぐためには、変更前の確認が重要です。
例えば、現在の保存構成を記録する。
必要なバックアップを確保する。
小さな範囲で試す。
既存のリンクや関連システムへの影響を確認する。
問題がなければ、対象範囲を広げる。
こうした順番で進める方法があります。
実践プロンプト⑪
「共有フォルダーの整理を計画しています。ファイルの移動や名前の変更によって、業務に影響が出ないようにしたいです。変更前の確認、試験的な整理、動作確認、問題があった場合の復旧方法を整理してください」
ここで重要なのは、AIが提案した変更を、そのまま大量のファイルへ適用しないことです。
実際の環境を確認し、安全に進める必要があります。
14.情報整理の効果をどう確認する?
情報整理を実施したら、実際に仕事が改善したか確認しましょう。
例えば、以前は過去の図面を探すのに平均10分かかっていたとします。
新しい管理方法では、平均3分で見つかるようになったと仮定します。
この場合、1回あたり7分の短縮です。
1日に10回検索するなら、単純計算で70分の短縮になります。
しかし、これは仮の計算です。
実際には、探す資料の種類や難易度によって時間が変わります。
また、検索時間が短くなっても、間違った資料を選んでいたら意味がありません。
そこで、時間だけでなく、次のような項目も確認します。
必要な資料を見つけられたか。
正式な最新版を選べたか。
別の担当者でも探せたか。
新しい資料を迷わず保存できたか。
更新作業の負担が増えていないか。
ChatGPTには次のように依頼できます。
実践プロンプト⑫
「社内資料の管理方法を改善しました。検索時間、正しい資料を見つけられる割合、最新版の識別、担当者の使いやすさ、更新作業の負担を評価する方法を考えてください」
情報整理の成果は、フォルダーがきれいになったことではなく、実際に必要な情報を利用できるようになったことです。
15.今日の実践課題|自分の資料を探しやすくしてみよう
今回は、ChatGPTを使って、身近な資料の整理方法を考える練習をしましょう。
いきなり会社全体のファイルを整理する必要はありません。
まずは、一つのフォルダーや、特定の種類の資料を対象にします。
例えば、会議資料を保存しているフォルダーです。
ステップ① 現在の状況を説明する
ChatGPTに次のように質問します。
「会議資料のファイルが増え、必要な資料を探しにくくなっています。現在の保存方法を整理したいので、必要な質問を一つずつしてください」
ステップ② 資料の種類を確認する
議事録。
会議の案内。
配布資料。
決定事項の記録。
進捗管理表。
このように、保存している資料の種類を整理します。
ステップ③ 検索方法を考える
「会議の日付、議題、案件名から資料を探せるようにしたいです。使いやすいフォルダー構成とファイル名のルールを提案してください」
ステップ④ 保存ルールを比較する
「提案された方法について、検索のしやすさ、保存時の手間、更新管理のしやすさを比較してください」
ステップ⑤ 小さな範囲で試す
まず、数件の資料を対象にして整理してみます。
元のファイルを保護し、必要に応じてコピーなどを使って試験します。
ステップ⑥ 別の人にも探してもらう
資料を作成した本人ではなく、別の担当者が目的の資料を探せるか確認します。
ステップ⑦ 改善する
「実際に試したところ、議題から資料を探しにくいことが分かりました。この問題を改善する方法を考えてください」
このように、実際に使った結果をもとに整理方法を見直します。
16.情報を整理するだけでなく、知識として活用する
ここまで、資料の保存や検索について説明してきました。
しかし、情報整理には、もう一つ大切な役割があります。
それは、過去の経験を次の仕事へ活かすことです。
例えば、ある製品の加工で、過去に問題が発生したとします。
原因を調査し、加工方法を変更して解決しました。
その内容が記録されていれば、次に似た仕事を受けたとき、参考にできる可能性があります。
しかし、記録が存在していても、誰も見つけられなければ、その経験は活用されません。
そこで、単に資料を保存するだけでなく、
「どのような問題だったのか」
「どのような条件で発生したのか」
「どのように解決したのか」
「ほかの仕事にも応用できるのか」
といった情報を整理することが重要になります。
ChatGPTには、次のように依頼できます。
実践プロンプト⑬
「過去の加工トラブル記録を、今後の仕事で活用できる技術情報として整理したいです。発生した問題、当時の条件、確認した原因、実施した対策、結果、ほかの案件へ応用する際の注意点をまとめる書式を考えてください」
このようにすると、過去の仕事の記録を、今後の問題解決に使いやすい形へ整理できます。
ただし、過去に成功した方法が、別の条件でも必ず成功するとは限りません。
新しい仕事では、材料や設備、製品形状などの条件を確認する必要があります。
17.情報共有の仕組みは、使い続けられることが大切
資料管理の仕組みを考えるとき、最初から高度なシステムを導入したくなるかもしれません。
しかし、機能が多いからといって、必ず使いやすいとは限りません。
例えば、資料を登録するために、毎回20項目を入力する必要があったらどうでしょうか。
仕事が忙しいとき、登録を後回しにしてしまう可能性があります。
一方、入力項目を減らしすぎると、後から必要な資料を探せなくなるかもしれません。
そのため、実際の仕事で必要な情報と、登録する負担のバランスを考えることが重要です。
また、仕事の内容が変われば、必要な管理項目も変化します。
そのため、最初に決めた方法を固定するのではなく、必要に応じて見直せる仕組みが望まれます。
ChatGPTは、こうした管理方法の比較や改善を手伝うことができます。
しかし、実際に使い続けられるかどうかは、現場で試して確認する必要があります。
まとめ|情報の価値は、必要なときに使えることで生まれる
今回は、ChatGPTを使った情報整理と共有の方法を学びました。
大切なポイントは、次のとおりです。
- 資料を整理する前に、誰が何を探しているのか確認する。
- フォルダーを細かく分けるだけで解決しようとしない。
- 案件番号や資料の種類など、検索に使える情報を整理する。
- ファイル名と版管理のルールを明確にする。
- 同じ情報の重複入力を減らす方法を考える。
- メールや議事録から、決定事項と未確認事項を区別する。
- 情報の共有範囲とアクセス権限を適切に管理する。
- 小さな範囲で試し、実際に探しやすくなったか確認する。
- 過去の経験を、次の仕事で活用できる知識として整理する。
情報は、保存するだけでは十分ではありません。
必要な人が、必要なときに見つけられること。
その内容が正しく、現在も有効なのか確認できること。
そして、実際の仕事に活用できること。
この状態をつくることが、情報整理と共有の目的です。
ChatGPTは、資料の分類や内容の整理、検索方法の検討、過去の記録のまとめなどを支援できます。
しかし、情報が正しいかどうか、どこまで共有してよいか、実際に利用できる状態になっているかは、人間が確認する必要があります。
情報整理の目的は、資料をきれいに並べることではありません。過去の知識や経験を、現在と未来の仕事に役立てることです。
AIと一緒に情報を整理し、使ってみる。
不便なところが見つかれば改善する。
そして、日々の仕事から得た新しい知識を、次に活かせる形で積み重ねていく。
それが、中級編で身につけていきたい実践的なAI活用です。
次回【中級編・第15回】
「ChatGPTで仕事の標準化を進める方法|品質のばらつきを減らし、改善し続ける仕組みをつくる実践講座」
次回は、担当者によって仕事の進め方や成果が異なる問題を題材にします。
何を統一し、何を現場の判断に任せるべきなのか。
ChatGPTを使って、品質を安定させながら、変化にも対応できる仕事の標準化を考えていきましょう。