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経験だけではなく、科学で考えるものづくりへ

2021.10.18

「文系脳なのか、理系脳なのか」という話を耳にすることがあります。
(株)アリスでも、ものづくりを続ける中で、「感覚」と「論理」の関係について考える場面があります。

私自身は、どちらかといえば理系的な思考がベースにあるように感じています。もちろん、アイデアや直感を重視する場面もありますが、最終的には「なぜそうなるのか」を論理的に整理したくなる傾向があります。

開発試作の現場では、単純な経験則だけでは対応できない場面が多くあります。例えば、同じ材料でも加工条件や工具、熱の入り方、固定方法によって結果が変化することがあります。そのため、「以前うまくいったから今回も大丈夫」という考え方だけでは安定しません。

(株)アリスでは、経験を大切にしながらも、その背景にある原因や構造を分析することを重視しています。なぜ寸法変化が起きたのか。なぜ反りが発生したのか。なぜ表面状態が変わったのか。そうした現象を、感覚だけで終わらせず、できる限り物理的・論理的に整理していくことが、再現性のある技術につながると考えています。

特に開発試作では、「まだ答えが存在していない状態」からスタートする案件も多くあります。そのため、現場では仮説を立て、実験し、データを取り、分析しながら最適解へ近づけていく流れが重要になります。

例えば加工条件一つを決める場合でも、単純な勘だけではなく、材料特性、工具負荷、熱変位、加工順序など、多くの条件を整理して考える必要があります。その積み重ねが、品質の安定やスピード向上につながっていきます。

一方で、ものづくりは数値だけで成立するわけでもありません。実際の現場では、微妙な違和感や感覚的な気づきが重要になることもあります。音、振動、加工感覚、表面の雰囲気など、数値化しきれない情報も多く存在します。

だからこそ(株)アリスでは、「論理」と「感覚」の両方が必要だと考えています。科学的に整理しながらも、現場感覚や経験値を組み合わせる。その両立によって、初めて高いレベルの対応力が生まれていきます。

構造的に見ると、経験とは「過去の結果の蓄積」であり、科学とは「その理由を再現可能な形で整理すること」です。経験だけでは属人的になりやすく、理論だけでは現場に合わないこともあります。その間をつなぐことが、実践的なものづくりには必要になります。

本質的には、ものづくりとは単なる作業ではなく、「現象を理解し、再現性を高めていく活動」なのだと思います。そして、その積み重ねが、技術力や品質の安定へつながっていきます。

(株)アリスでは、これからも開発試作モデルの製作を通じて、経験と科学の両方を大切にしながら、論理的かつ実践的なものづくりを追求していきたいと考えています。

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