前に進む力と、受け止め方の設計
2019.10.29
その「迷わず前に進む」という感覚自体は、ものづくりでも経営でもすごく大事な部分があります。方向を決めて、そこに集中する力がないと、現場はすぐに分散してしまうので。
ただ一方で、少し現実的な話をすると、「批判を気にしない」と「改善のヒントを拾わない」は、実は似ているようで全く別なんですよね。
外からの声には、確かに雑音もあります。でも同時に、設計の不備、工程のズレ、伝達の不足みたいな“改善の入口”も混ざっています。ここを全部同じ「気にしない」で切ってしまうと、組織としての精度は上がりにくくなります。
(株)アリスのような、試作や現場対応が多い仕事だと特にそうで、評価は社内だけで完結しません。使う側の現場、立ち上げる技術者、調達や製造の流れ、その全部の中で結果が決まっていきます。だからこそ、どこまでを信じて、どこからを見直すかの線引きが重要になります。
「応援してくれる人と成功を共有する」という考え方はとても健全ですし、実際そこに向かうべきだと思います。ただその成功を長く続けるには、応援だけではなく、耳の痛い情報も含めて“選別して取り込む力”が必要になります。
夢や目標に全力で向かう姿勢は確かに魅力的です。ただ、それが持続する形になるかどうかは、意志の強さよりも、外からの情報をどう扱うかという設計次第だったりします。
前に進む力と、修正する余白。その両方が揃ったときに、組織は一段安定して強くなる、そんな印象があります。