東大阪の研究開発現場から生産現場までの「ものづくり」なら【株式会社アリス】試作サンプル、切削加工、精密部品加工、可視化部品製作、透明化処理、現物からの製作、単品OK

鉄を扱う人は、古代社会でどんな存在だったのか

2013.06.25

古代の鉄というと、刀や槍を思い浮かべます。

だから鉄を扱う人も、武器を作る職人のように見えます。

でも鉄の役割は、それだけではありません。

斧。

鎌。

鋤や鍬に関わる刃物。

木を加工する道具。

暮らしのさまざまな場所で、鉄は使われるようになります。

国指定文化財の説明でも、弥生時代の北部九州では鉄器や青銅器の鋳造に関係する
資料が確認され、中国大陸や朝鮮半島とのつながりを示す遺物が出土しています。

また文化庁は、加耶などから来た人々との交流の中で、鉄の加工技術が
もたらされたと紹介しています。

ここで考えたいのは、鉄を扱える人が地域の中でどんな存在だったかです。

鉄は、拾ってきてそのまま使える材料ではありません。

熱する。

叩く。

形を整える。

必要なら何度もやり直す。

火の強さも見なければなりません。

材料の状態も見なければなりません。

つまり、かなり専門性の高い仕事です。

しかも、その技術が農具に使われれば、農業にも影響します。

木工道具に使われれば、家や橋や水路を作る仕事にもつながります。

刃物が良くなれば、木を切る速度も変わります。

加工できる形も増えます。

一つの技術が、別の仕事を次々と変えていきます。

そう考えると、鉄を扱う人は単なる職人ではありません。

地域の中で「できること」を増やす人です。

壊れた道具を直す。

新しい形を試す。

用途に合わせて作り替える。

材料が足りなければ工夫する。

現代のものづくりにかなり近い仕事だったのではないでしょうか。

さらに、鉄を扱うには炭や燃料が必要です。

山の資源ともつながります。

材料を運ぶ人も必要です。

完成した道具を使う農民や木工職人ともつながります。

鍛冶だけが独立して存在するのではなく、多くの仕事の中心に入っていくことになります。

もし地域の中に、そんな人が一人でもいれば頼られたでしょう。

「これを切れる道具がほしい」

「ここを直してほしい」

「もっと使いやすくできないか」

そんな相談が集まったかもしれません。

古代の技術者を考える時、王や戦士のそばにいた人として見るだけでは足りません。

鉄を扱う人たちは、人々の暮らしそのものを少しずつ変えていく存在だったのではないでしょうか。

                 一覧へ戻る
アリスの仕事に対する想いを見る オリジナルサンプル制作