裏切った仲間を、なぜもう一度受け入れたのか
2014.02.02
戦いが長く続けば、心が折れる人も出ます。
家族を守りたい。
もう戦いたくない。
このままでは村が焼かれる。
そんな思いから、朝廷側へ寝返る人もいたでしょう。
人間だから、怖くなる。
迷う。
自分だけ助かりたいと思うこともある。
私は、そこを単純に「裏切り者」で終わらせたくありません。
アテルイとモレが守っていたのは、戦うことそのものではなかった。
そこに暮らす人たちの生活でした。
だから、一度離れた人が戻ってきた時、
「お前は裏切ったから敵だ」
と切り捨てるより、
「もう一度、一緒に守ろう」
と受け入れる方を選んだのではないでしょうか。
これは簡単なことではありません。
裏切られた側には怒りがある。
仲間を失った人もいる。
それでも許す。
なぜか。
人を減らしたいのではなく、
人を守りたかったから。
私は、ここにアテルイたちの人望の理由があったと思っています。
恐怖で人を従わせる指導者なら、一度離れた者は許さない。
見せしめにする。
でも、人が自分の意思でついてくる指導者は違う。
その人が戻ってきた理由を見る。
もう一度仲間として受け入れる。
だから人が残る。
そして人が残るから、国も残る。
アテルイとモレが長く土地を守れた理由は、戦いが上手だったからだけではない。
人を捨てなかったから。
私はそう思っています。
自分を裏切った人まで、完全な敵にはしない。
その人もまた、この土地で生きてきた仲間だから。
ここには、勝ち負けよりも大きなものがある。
国を守るということは、土地を守ることではない。
そこにいる人を守ること。
アテルイとモレは、それを分かっていた人たちだったのだと思います。
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