自戒という技術
技術は、加工方法だけではありません。
図面を読む力。
加工条件を組み立てる力。
精度を安定させる力。
それらはもちろん大切です。
しかし(株)アリスでは、長く仕事を続けるためには、もう一つ磨き続けなければならない技術があると考えています。
それが、自戒する力です。
仕事に慣れてくると、人は少しずつ自分の考えに自信を持つようになります。
経験が増え、成功体験も積み重なります。
それ自体は、とても良いことです。
ですが、その自信が「自分は間違えない」という思い込みへ変わった瞬間、人の成長は止まり始めます。
だから私たちは、判断する前に自分へ問いかけます。
本当にそうだろうか。
別の考え方はないだろうか。
相手には相手の事情があるのではないか。
この一呼吸が、仕事の質を大きく変えます。
研究開発から生産現場まで、ものづくりは一人で完成する仕事ではありません。
設計する人。
加工する人。
評価する人。
お客様。
多くの立場が重なり、一つの製品が形になります。
だから、自分の考えだけで結論を出さない姿勢が欠かせません。
正直であることは大切です。
しかし、思ったことをすべて口にすることが誠実とは限りません。
言葉は正しくても、伝えるタイミングや伝え方を間違えれば、人を傷つけることがあります。
だから私たちは、「言うべきか」だけではなく、「今、伝えることがお客様や仲間のためになるのか」まで考えるようにしています。
また、自分を必要以上に大きく見せることもしません。
会社は、一人の力だけで成り立つものではありません。
支え合い、補い合い、多くの人の努力が積み重なって初めて、お客様へ価値を届けることができます。
だからこそ、「自分がすべて」という考え方ではなく、「自分にできる役割を最後まで果たそう」という姿勢を大切にしています。
自戒とは、自分を否定することではありません。
自分を見失わないための習慣です。
感情に流されそうな時ほど立ち止まる。
成功した時ほど謙虚になる。
評価された時ほど周囲への感謝を忘れない。
そうした積み重ねが、人としての器を育て、仕事への信頼につながっていきます。
(株)アリスは、技術だけを磨く会社ではありません。
人としての在り方も磨き続ける会社でありたいと考えています。
自分を戒めることは、自分を縛ることではありません。
より良い判断をし、より良い仕事を続けるための、大切な技術です。
その技術を磨きながら、(株)アリスはこれからも研究開発から生産現場まで、一つひとつの仕事に誠実に向き合い、お客様とともに未来のものづくりを支えてまいります。