経験を積んでも、「はじめて」はなくならない。
ものづくりの仕事を始めた頃は、毎日のように初めてのことに出会います。
初めて触る材料。
初めて使う工具。
初めて見る図面。
初めて行う機械加工。
分からないことが多いからこそ、一つずつ覚えていきます。
では、何年も経験を積めば「はじめて」はなくなるのでしょうか。
実際には、そんなことはありません。
機械加工や切削加工の仕事では、今まで扱ったことのない材料に出会うことがあります。
樹脂ひとつをとっても、材質が違えば性質は変わります。金属加工でも、材質や形状、精度、用途によって加工方法は変わります。
研究開発の試作品では、これまでに見たことのない形状や、新しい用途の部品を相談いただくこともあります。
生産現場で使われる部品でも、使用環境や必要な精度が変われば、同じ考え方ではうまくいかないことがあります。
そんなときは、経験だけに頼ることはできません。
図面を確認する。
材料の特性を調べる。
加工方法を考える。
必要なら試してみる。
自社だけで分からなければ、その分野に詳しい人や協力会社の力を借りることもあります。
経験が増えるということは、何でも知っている状態になることではないと思っています。
むしろ経験が増えるほど、「まだ知らないことがある」と気づく場面も増えていきます。
だから、何年仕事をしていても新しい発見があります。
ひとつの「できた。」の先に、また新しい「はじめて。」がある。
その繰り返しが、加工技術を少しずつ広げていきます。
私たちはこれからも、経験したことのある仕事だけにとどまらず、新しい材料、新しい加工、新しい相談に向き合いながら、ものづくりの幅を広げていきたいと考えています。