手加工さんのバリ取り技術
加工機械やCAD/CAMが大きく進歩した現在でも、ものづくりの現場では人の手による仕上げ作業が欠かせません。
切削加工では、高精度な機械加工によって形状を作り込むことができます。しかし、加工後には必ずと言っていいほどバリ取り作業が発生します。特に試作品や小ロット品では、形状や材質が毎回異なるため、機械だけで完全に対応することは簡単ではありません。
射出成形では金型や条件調整によってバリの発生を抑えることができますが、切削加工では加工方法の特性上、意図的に残す部分やワークを固定するためのチャック部などが必要になるため、後工程での仕上げが重要になります。
このバリ取り工程は、一見すると単純な作業に見えるかもしれません。しかし実際には、製品の形状や材質、求められる品質に応じて工具の使い方を変えながら作業を行う高度な技術です。
削り過ぎれば寸法や形状に影響し、仕上げが甘ければ品質や安全性に影響します。そのため、どこまで処理するのかを瞬時に判断しながら作業を進める経験と感覚が求められます。
また、開発試作の現場では納期対応も重要です。バリ取り工程を正確かつスピーディーに行えるかどうかが、全体の生産性や納期に大きく影響します。加工機の能力だけではなく、手仕上げの技術力も試作品づくりを支える重要な要素なのです。
宮大工がノミやカンナを使い分けながら木材を仕上げるように、切削加工の現場でも手加工の技術者は製品ごとに最適な方法を選択しながら品質を作り上げています。
最新設備と職人の技術。その両方が揃って初めて、高品質な試作品が完成します。
(株)アリスでは、機械加工技術だけでなく、手仕上げによる細やかな品質づくりも大切にしながら、研究開発現場から生産現場までのものづくりを支える試作品製作に取り組んでいます。