国譲りの本当の主役は、土地の人たちだったのではないか
2014.08.04
国譲りの物語では、神々が交渉します。
でも現実の土地に置き換えれば、そこには大勢の普通の人間が暮らしています。
漁をする人。
農業をする人。
船を作る人。
子どもを育てる人。
祭りを守る人。
支配者が変わったからといって、全員が消えるわけではありません。
昨日まで出雲の神を祀っていた人が、翌日から全部別の神だけを祀るでしょうか。
おそらく、そんなに簡単ではありません。
だから政治的には新しい秩序へ入っても、生活の中には昔のものが残った。
神が残る。
祭りが残る。
地名が残る。
墓が残る。
この「残ったもの」が、現在まで続く土地の記憶なのかもしれません。
そうすると国譲りという出来事を、支配者同士の交渉だけで考えるのは足りなくなります。
本当の問題は、その後です。
普通の人たちが、新しい政治の中でどう暮らしたのか。
古い神をどう守ったのか。
何を受け入れ、何を残したのか。
歴史書では支配者が交代した瞬間が大きく書かれます。
でも人間の歴史は、その翌朝から続きます。
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