仕事を理解してこそ、道具を活かせる
製造業の仕事では、さまざまな道具や設備を使います。
工作機械、測定器、CAD/CAM、表計算ソフトなど、それぞれに役割があります。
便利な道具があれば、作業時間を短縮したり、これまで難しかった仕事に対応できたりすることもあります。
しかし、道具の使い方を覚えることと、仕事そのものを理解することは、同じではありません。
例えば、CAD/CAMを使った切削加工を考えてみます。
CADで形状を確認し、CAMで工具経路を作成すれば、CNC工作機械を動かすための加工プログラムを準備できます。
ただし、プログラムを作成できたからといって、適切な加工ができるとは限りません。
材料の性質を理解しているか。
工具の選び方は適切か。
材料をどのように固定するのか。
加工する順番に問題はないか。
求められる寸法精度や仕上がりを満たせるのか。
こうしたことを考える必要があります。
同じ加工プログラムでも、材料や設備の状態が変われば、加工結果が異なることがあります。
そのため、実際の加工状態を確認し、必要に応じて調整することが欠かせません。
これは、事務の仕事でも同じです。
表計算ソフトを使えば、数値の集計や書類の作成を効率よく進めることができます。
しかし、入力する情報の意味を理解していなければ、計算結果が正しくても、仕事として間違った判断につながることがあります。
例えば、見積りで使用する材料費や加工費、外注費。
それぞれが何を意味し、どのような条件で変わるのかを理解していなければ、数字だけを整理しても十分ではありません。
新しい道具を使うときには、まず何を実現したいのかを考える必要があります。
作業時間を短くしたいのか。
入力間違いを減らしたいのか。
加工精度を安定させたいのか。
今まで対応できなかった形状を製作したいのか。
目的が違えば、選ぶ道具も変わります。
(株)アリスは、自社加工と国内協力会社の技術を組み合わせながら、研究開発から生産現場までのものづくりに関わっています。
新しい設備や技術を知ることは大切ですが、それを使うこと自体が目的ではありません。
仕事の内容を理解し、必要な方法を考え、そのために適した道具を選ぶ。
便利な技術が増えるほど、仕事の基本を理解することが重要になると考えています。