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レオナルド・ダ・ヴィンチさま|まだないものを、どうやって考えたのか?

2013.05.04

レオナルド・ダ・ヴィンチは、まだ世の中に存在していない機械をいくつも描いています。

空を飛ぶための装置。空中スクリュー。パラシュートを思わせる装置。さまざまな歯車や機構。

500年以上前の人が、どうしてそんなものを考えることができたのでしょう。

未来が見えていたわけではありません。

未来の技術を知っていたわけでもありません。

彼が見ることができたのは、私たちと同じように、その時代に存在していたものだけです。

だとすれば、

まだないものは、どこから生まれたのでしょう。

ゼロから考えたわけではない

発明というと、何もないところから突然アイデアが生まれるようなイメージがあります。

でもダ・ヴィンチの仕事を見ていると、そうではないように思います。

鳥が飛んでいる。

水が流れている。

人間の腕が動いている。

歯車が回っている。

滑車で物を持ち上げることができる。

目の前には、すでにいろいろな仕組みがあります。

ダ・ヴィンチは、それを観察しました。

そして、

「この仕組みを別のことに使えないか?」

と考えた。

未来の機械を見たのではなく、今あるものの中から原理を取り出して、組み合わせを変えた。

そう考えると、発明というものが少し身近になります。

鳥にならなくても、空は飛べる

人間が空を飛びたい。

では鳥をそのままつくればいいのでしょうか。

羽毛を付ける。

鳥と同じ形にする。

それだけでは飛べません。

必要なのは、鳥そのものではなく、鳥が飛べる理由です。

翼は空気に対して何をしているのか。

身体はどうやって姿勢を保つのか。

どこに力が必要なのか。

形を真似するのではなく、働きを見る。

すると「鳥をつくる」という問題が、

「人間を空中に浮かせるには、何が必要なのか」

という別の問題に変わります。

この瞬間、答えは鳥だけではなくなります。

目的と方法を分ける

これはものづくりでも大切なことだと思います。

「この部品をつくってほしい」

と言われたとき、その形をそのままつくることだけが答えとは限りません。

その部品は何のためにあるのか。

何を支えているのか。

何を防いでいるのか。

何を動かしているのか。

本当の目的まで戻れば、別の材料や別の形、別の構造でも目的を達成できる場合があります。

方法を固定すると、答えも固定されます。

目的まで戻ると、答えが増えます。

未来を予想するより、原理を見る

ダ・ヴィンチの発明を見ると、

「500年先の未来を予想した天才」

と言いたくなります。

でも私は、それだけでは少しもったいない気がします。

未来を当てたことより、

未来を知らなくても、新しいものを考える方法を持っていたこと。

その方が面白い。

目の前にあるものをよく見る。

仕組みを理解する。

目的と方法を分ける。

使える原理を取り出す。

別の原理と組み合わせる。

そして、まだ存在しない形を描いてみる。

これなら未来を見る能力は必要ありません。

必要なのは、今あるものを深く見る力です。

新しいものは、古いものの組み合わせかもしれない

まったく新しいアイデアだと思っていたものも、細かく分けてみると、すでに知っているものの
組み合わせだったりします。

材料。

構造。

動き。

形。

使い方。

それぞれは昔からある。

でも組み合わせが変わると、新しいものになる。

ダ・ヴィンチも、自然や人体や機械から集めたたくさんの原理を、頭の中で
組み替えていたのではないでしょうか。

だから画家として見たものが機械に使われ、人体から学んだことが構造につながり、
鳥の観察が飛行機械へ広がっていく。

知識が別々の箱に入っていないから、組み合わせることができる。

「ない」から考え始める

ものづくりでは、

「そんなものはありません」

で終わることもできます。

でも、

「ないなら、どうすればできる?」

と考えることもできます。

もちろん、何でも実現できるわけではありません。

技術的に無理なこともあります。

費用が合わないこともあります。

失敗することもあります。

ダ・ヴィンチ自身、考えたものをすべて実現できたわけではありません。

それでも、

まだないものを考えることはできる。

その出発点は、突拍子もない空想ではなく、目の前にあるものをよく見ることなのかもしれません。

株式会社アリスでも、既製品や過去の方法だけで答えが見つからない相談があります。

そんなときは、何のために必要なのかまで戻って考える。

方法がまだなくても、目的は分かる。

そこから新しい方法を探していくのも、ものづくりの仕事だと思っています。

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