東大阪の研究開発現場から生産現場までの「ものづくり」なら【株式会社アリス】試作サンプル、切削加工、精密部品加工、可視化部品製作、透明化処理、現物からの製作、単品OK

  • トップ
  • ニュース
  • ChatGPTソラ先生と学ぶ!中級者のためのAI実践講座【第93回】ChatGPTを使ってAIとの仕事を引き継ぐ方法|確定事項・参照資料・再開する作業をまとめる実践講座

ChatGPTソラ先生と学ぶ!中級者のためのAI実践講座【第93回】ChatGPTを使ってAIとの仕事を引き継ぐ方法|確定事項・参照資料・再開する作業をまとめる実践講座

2025.09.09

1.はじめに

皆さん、こんにちは。ソラ先生です。

前回は、ChatGPTとの作業について、入力情報、修正の経緯、採用した判断を記録する方法を学びました。

記録を残すと、何を確認し、なぜ修正したかを振り返れます。

今回は、その記録から必要な情報を選び、次の担当者や次の作業へ渡す方法を考えます。

「記録はあるが、どこから再開すればよいか分からない」

「確定した内容まで、もう一度変更してしまった」

「参照する資料や、未確認事項を見つけられない」

こうした行き違いを減らすために、現在の状態と次の行動をまとめましょう。

なお、今回の業務、会話、資料、引き継ぎ例はすべて説明用です。実際の社内の出来事や成果を示すものではありません。

2.今回の到達目標

今回は、次の五つを目指します。

  1. 作業記録と引き継ぎ情報の役割を区別する。
  2. 確定事項、作業中の内容、未確認事項を分ける。
  3. 使用する成果物と参照資料を特定する。
  4. 再開する作業と完了条件を具体化する。
  5. 引き継いだ側が理解と不足情報を確認できるようにする。

読み終わった人が、何を維持し、何から始めるかを判断できる資料を作ります。

3.作業記録から現在地を取り出す

作業記録には、途中の案や古い条件も含まれます。

引き継ぎでは、そこから現在の仕事に必要な内容を選びます。

作業記録に残る内容引き継ぎで示す内容
複数の提案採用した案と保留した案
修正の履歴現在の成果物と重要な修正理由
過去の条件現在適用する条件
作業の経過完了、作業中、未着手
会話中の疑問残る確認と次の行動

詳細な経緯は参照できるようにし、現在地を先に伝えます。

4.引き継ぐ仕事の範囲を決める

「返信対応を引き継ぐ」だけでは、担当する範囲が分かりません。

説明用の例なら、次のように示します。

「作成中の返信文案について、使用条件を照合し、確認用の文案を完成させる」

実際の送付まで含むのか、文案の作成までなのかを明確にします。

対象外となる作業があれば、その内容も添えましょう。

5.目的を一文で伝える

作業の目的は、細かな修正で迷ったときの判断の軸になります。

例えば、

「お客様が回答内容と次の手続きを把握できるように、必要な条件を残して返信文を整える」

という目的です。

「短くする」「表にする」といった作業の指示と、仕事の目的を一緒に示します。

目的が変わった場合は、変更した記録も残しましょう。

6.プロンプト例①:引き継ぎの骨組みを作る

以下の作業記録から、仕事を再開するための引き継ぎ資料を作成してください。

作業名、目的、対象範囲、現在の状態、確定事項、成果物、参照資料、未確認事項、次の作業、完了条件に分けてください。

記録にない内容は補わず、記録なしとしてください。
AIの提案と、人が採用した内容を区別してください。
依頼しただけの作業を、実施済みとして扱わないでください。

【作業記録】
ここに記載します。

まずは必要な項目をそろえ、不足している情報を見つけます。

7.確定事項と検討中の案を分ける

「結論を冒頭に書く」という提案と、その方針を採用したことは区別します。

引き継ぎでは、次のように状態を示します。

  • 確定事項:結論を冒頭に置く。
  • 検討中:注意事項を末尾にまとめる案がある。
  • 未確認:注意事項の配置について採用判断が分からない。

会話の中に出てきた案を、すべて決定事項にしないようにしましょう。

8.維持する条件を明確にする

引き継いだ側が全体を整えようとして、確定した内容まで変更する場合があります。

維持する条件と、修正できる範囲を示します。

例えば、次のように整理します。

「確認済みの数値と見出し構成は維持する。重複表現は整理してよい。未確認の納期は追加しない」

何を変えてよいかが分かると、再開後の作業も具体的になります。

9.使用する成果物を特定する

「前の原稿」「新しい表」では、対象を取り違える可能性があります。

成果物には、名前、版、更新日、状態を付けます。

例えば、

「返信文案B、更新日○月○日、内容確認中」

という形です。

更新日が新しいことと、採用済みであることは別です。参考用の旧版や不採用案も区別しましょう。

10.参照資料と確認目的を示す

資料を並べるだけでなく、何を確認するために使うかを示します。

項目記載する内容
資料名使用する資料の名称
版・更新日対象となる版
参照先保存先や確認できる場所
参照箇所ページ、項目、表など
確認目的どの条件を確かめるか

資料の内容を実際に確認できる状態かも確かめます。

11.プロンプト例②:参照資料の不足を確認する

以下の引き継ぎ情報について、作業再開に必要な資料を整理してください。

資料名、版、参照箇所、確認目的、現在内容を確認できるかを表にしてください。
名前だけが挙がっている資料は、本文未確認としてください。

不足する資料については、それによって判断できない内容を示してください。
資料を読んだものとして説明しないでください。

【引き継ぎ情報と確認可能な資料】
ここに記載します。

不足によって、どの工程が進められないかまで整理します。

12.完了・作業中・未着手を分ける

「進めています」という表現だけでは、現在地が伝わりません。

作業ごとに状態を示します。

  • 質問の整理:完了。
  • 返信文案の作成:作業中。
  • 使用条件の照合:未着手。
  • 最終確認:文案完成後に実施。

作成と確認も分けます。「文案がある」ことを、内容確認済みと扱わないようにしましょう。

13.途中の成果物に補足を付ける

未完成でも、使える部分があれば引き継ぎます。

その際は、途中の状態を説明します。

「全体構成は作成済み。第3段落の条件説明は未確認。第4段落の例文は仮置き」

この情報があると、引き継いだ側は、使える部分と手を入れる部分を区別できます。

未確認の箇所が、完成した文章に紛れないようにします。

14.未確認事項は影響と一緒に書く

「納期未確認」だけでは、そのまま文案を作ってよいか判断できません。

例えば、

「納期は未確認。具体的な日付を返信文へ記載できないため、担当者への確認が必要」

と書きます。

何が不明か、どの判断に影響するか、どう確かめるかを一組にしましょう。

15.プロンプト例③:未確認事項を次の行動へ変える

以下の未確認事項について、作業再開に必要な行動を整理してください。

不明な内容、影響する判断、確認方法、確認先の決定状況、確認まで止める作業、進められる作業を示してください。

確認先や期限が不明な場合は、未定としてください。
一般的な条件を補って、今回の事実として扱わないでください。

【未確認事項と作業状況】
ここに記載します。

確認できるまでに、どの準備を進められるかも考えます。

16.次の作業を具体的にする

「続きを進める」「仕上げる」では、開始位置が曖昧です。

例えば、

「仕様書の使用条件を確認し、返信文案Bの第3段落へ不足する条件を追記する」

とします。

何を見て、どこを、どう変えるかを示しましょう。

作業後に何を確認するかも添えると、完了までの流れが伝わります。

17.作業の前後関係を示す

再開する作業が複数ある場合は、順番を整理します。

例えば、

  1. 使用条件を照合する。
  2. 対応方針を担当者が確認する。
  3. 方針に沿って文案を修正する。
  4. 数値、条件、表現を点検する。

先に終える必要がある作業と、並行して進められる作業を分けます。

確認待ちの項目がある場合も、すべてを止める必要があるか検討しましょう。

18.完了条件を決める

「問題がなければ完了」では、確認の範囲がそろいません。

例えば、次の条件を設定できます。

  • 質問への回答がそろっている。
  • 数値と条件を原資料と照合している。
  • 未確認事項を断定していない。
  • 必要な確認者の確認を終えている。
  • 採用する版を特定している。

文案作成の完了と、送付できる状態を区別します。

19.プロンプト例④:再開する作業を並べる

以下の引き継ぎ情報から、再開する作業を実施順に整理してください。

各作業について、対象、行うこと、必要資料、先に終える作業、担当の決定状況、完了条件を示してください。

現時点で進められる作業と、確認を待つ作業を分けてください。
確定事項を変更する案は、通常の修正と区別し、理由を示してください。

【引き継ぎ情報】
ここに記載します。

作業の順番は、実際の担当者と利用できる情報に合わせます。

20.引き継いだ側の理解を確認する

作業を始める前に、理解した内容を短く言い直します。

「目的は返信文案の完成。構成は維持する。使用条件の確認後に第3段落を修正する。納期は断定しない」

この確認によって、対象や条件の読み違いを見つけやすくなります。

自然な要約になっていることだけで判断せず、元の引き継ぎ情報と照合しましょう。

21.食い違いは勝手に解消しない

引き継ぎ情報と資料で、数値や条件が違う場合があります。

その際は、次を確認します。

  • 同じ対象についての記載か。
  • 資料の版や適用条件は同じか。
  • 変更や採用の記録があるか。
  • どの作業へ影響するか。

どちらを採用すべきか判断できなければ、相違点を整理して確認します。

22.確認済みの範囲を残す

完了した確認を、毎回最初からやり直す必要があるとは限りません。

一方、前提が変われば再確認が必要です。

確認済みの内容には、対象、資料の版、確認項目、残る制約を残します。

資料や案件の条件が変わったとき、その確認を引き続き使えるか判断しやすくなります。

23.別の会話でも必要な情報を渡す

別の会話で作業を再開するときは、その場で必要な情報を確認できるようにします。

「前と同じ」だけでなく、目的、採用版、維持する条件、未確認事項、今回の作業をまとめます。

確認できない過去の会話や資料を、確認済みの前提にしないことが大切です。

必要な原稿や資料の範囲を明示して、再開位置をそろえましょう。

24.プロンプト例⑤:作業を再開する

以下の引き継ぎ情報を前提に、作業を再開してください。

【目的と対象範囲】
○○

【最新の採用版】
○○

【維持する条件】
○○

【完了した作業】
○○

【未確認事項】
○○

【今回行う作業】
○○

【参照資料】
○○

最初に、今回の対象と維持する条件を短く示してください。
確認できない資料を、読んだものとして扱わないでください。
判断に必要な情報が不足する部分は、その影響を示してください。

作業範囲が明確なら、その範囲から再開します。

25.共有する情報を必要な範囲へ絞る

長い会話をすべて渡すと、重要な条件が埋もれることがあります。

現在地を示す短い資料と、詳しい経緯を分けて結び付けます。

また、引き継ぎ先の役割に不要な個人情報や、共有に制限のある情報が含まれないかを確認します。

判断に必要な条件を残し、実際の情報管理ルールに合わせて扱いましょう。

26.説明用の引き継ぎ例

架空の返信文作成を例にまとめます。

項目引き継ぎ内容
目的回答と次の手続きを分かりやすく伝える
対象返信文案B
状態文案作成済み。使用条件は確認待ち
確定事項冒頭に結論を置く。納期を断定しない
参照資料対象製品の仕様書と問い合わせ本文
次の作業条件を照合し、第3段落を修正する
完了条件必要な照合と確認を終え、採用版を特定する

詳しい履歴は、必要な場合に参照できる形で添えます。

27.再開後の状態を更新する

引き継ぎ資料は、渡した時点の状態を示しています。

作業が進んだら、現在地を更新します。

例えば、

「使用条件を照合し、第3段落を修正。納期は引き続き未確認。次は確認者による文案確認」

と記録します。

完了した作業が未着手のまま残らないよう、成果物と記録を対応させましょう。

28.プロンプト例⑥:引き継ぎ資料を点検する

以下の引き継ぎ資料を、初めて読む担当者の立場で点検してください。

目的、対象範囲、確定事項、採用版、参照資料、未確認事項、次の作業、完了条件について、不足や曖昧さを示してください。

各指摘に、該当箇所、作業への影響、修正案を添えてください。
記録にない事実や決定事項を補わないでください。

【引き継ぎ資料】
ここに記載します。

項目を増やすことより、再開時に迷う原因を解消することを重視します。

29.実践演習:10ステップで引き継ぎ資料を作る

ステップ1:対象の仕事を選ぶ。
引き継ぐ成果物と作業を決めます。

ステップ2:目的を書く。
何を実現する仕事かを一文にします。

ステップ3:範囲を決める。
今回行う作業と対象外を分けます。

ステップ4:採用版を特定する。
名前、版、状態を確認します。

ステップ5:確定事項を整理する。
維持する条件と変更可能な範囲を書きます。

ステップ6:作業状態を分ける。
完了、作業中、未着手を示します。

ステップ7:資料と不足情報を整理する。
参照目的と、未確認事項の影響を書きます。

ステップ8:次の行動を具体化する。
何を見て、どこを、どう進めるかを示します。

ステップ9:完了条件を決める。
必要な照合と確認を明確にします。

ステップ10:受け手の立場で読む。
最初の作業へ着手できるか確かめます。

30.引き継ぎ前のチェックリスト

  • 目的を一文で説明できる。
  • 対象と範囲が明確である。
  • 最新の採用版を特定できる。
  • 確定事項と提案を分けている。
  • 維持する条件が分かる。
  • 完了、作業中、未着手を区別している。
  • 参照資料と確認目的が分かる。
  • 未確認事項と影響を示している。
  • 次の作業が具体的である。
  • 完了条件と必要な確認が明確である。

31.よくある失敗と直し方

失敗1:長い会話をそのまま渡す。
現在地と次の行動を先にまとめ、詳しい履歴を参照先へ結び付けます。

失敗2:提案を決定事項として扱う。
採用した記録を確認し、不明ならその状態を残します。

失敗3:「最新版」とだけ書く。
成果物の名前、版、更新日、採用状況を示します。

失敗4:「仕上げる」で作業を指示する。
対象、実施内容、必要資料、完了条件を具体化します。

失敗5:資料を読める前提で進める。
実際に確認できる範囲と、不足による影響を示します。

失敗6:再開後も古い状態のままにする。
進捗、成果物、残る確認を更新します。

32.今回の要点

  1. 引き継ぎは、仕事を再開できる状態を作ることです。
  2. 確定事項、提案、未確認事項を区別します。
  3. 使用する成果物と参照資料を特定します。
  4. 次の行動と完了条件を具体化します。
  5. 再開後も、現在の状態を記録へ反映します。

33.仕事で使える基本プロンプト

あなたは、仕事を再開するための引き継ぎ資料を整理する補助役です。
以下の情報を基に、次の担当者や次の会話で使える資料を作成してください。

【仕事の名称と目的】
○○

【引き継ぐ範囲】
○○

【作業記録】
○○

【成果物と採用状況】
○○

【確定事項と維持する条件】
○○

【参照資料と確認できる範囲】
○○

【未確認事項】
○○

次の10項目で整理してください。

1.仕事の目的と対象範囲
2.現在の状態
3.使用する成果物と採用状況
4.確定事項と維持する条件
5.完了した作業と確認範囲
6.作業中・未着手の作業
7.参照資料と確認目的
8.未確認事項、影響、確認方法
9.次の作業と実施順序
10.完了条件と必要な確認

記録にない事実、実施結果、承認を作らないでください。
AIの提案と採用済みの内容を区別してください。
依頼と実施済みを区別してください。
確認できない資料や会話を、確認済みとして扱わないでください。
矛盾や不足は、作業への影響と一緒に示してください。
最後に、再開時に最初に行うことを一つ書いてください。

34.まとめと次回予告

今回は、ChatGPTとの仕事を引き継ぐ方法を学びました。

記録から、目的、確定事項、参照資料、未確認事項、次の作業を選び出すことで、仕事の現在地を伝えやすくなります。

引き継ぎ資料を作ったら、「初めて読む人が、最初に何をすればよいか分かるか」を確かめてみてください。

次回【第94回】は、「ChatGPTを使って人とAIの役割を分ける方法|任せる作業・人が確かめる判断・確認のタイミングを決める実践講座」です。

仕事を進める際に、AIへ任せる処理と、人が行う確認や判断を整理する方法を学びます。

それでは、また次回。ソラ先生でした。

                 一覧へ戻る
アリスの仕事に対する想いを見る オリジナルサンプル制作