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ChatGPTソラ先生と学ぶ!中級者のためのAI実践講座【第87回】ChatGPTを使って仕事の判断基準を言語化する方法|経験者の見方・判断する条件・迷った場合の確認先を整理する実践講座

2025.09.03

1.はじめに

皆さん、こんにちは。ソラ先生です。

前回は、改善事例を別の仕事へ応用する際に、共通点、条件の違い、試す範囲を整理する方法を学びました。

今回は、経験者が仕事で使っている判断基準を、言葉にする方法を考えます。

「この場合は確認が必要だと分かるが、理由を説明しにくい」

「いつもと違うと感じても、どこを見ているか伝えられない」

「手順は教えたが、条件が変わると相手が迷ってしまう」

経験者の判断には、見ている情報、比較している状態、重視している条件があります。

ChatGPTを使って、それらを具体的な質問で取り出し、他の人が使える説明へ整理しましょう。

なお、この講座に登場する判断、業務、資料、会話は説明用です。実際の社内の出来事や成果を示すものではありません。

2.今回の到達目標

今回の目標は、経験者の判断をすべて単純なルールへ置き換えることではありません。

共有できる条件を明確にし、判断できない場面では必要な確認へ進める資料を作ることです。

次の五つを目指します。

  • 判断する場面と対象を絞る。
  • 経験者が見ている情報と、その理由を取り出す。
  • 正式な基準、経験上の目安、仮説を区別する。
  • 条件と行動を対応させ、適用範囲を明確にする。
  • 実際の事例で確かめ、迷う条件を修正する。

ChatGPTには、聞き取りの質問、条件の整理、事例比較を手伝ってもらいます。

3.手順と判断基準の違い

手順は、何をどの順番で行うかを示します。

判断基準は、確認した状態に応じて、どう進めるかを考えるための条件です。

例えば、

資料の案件番号を照合する。

という説明は、確認する作業です。

そこへ、

一致していれば次へ進む。不一致なら処理を保留し、正式な対象を確認する。

と加えると、判断と行動がつながります。

手順に沿って作業できても、結果をどう扱うか分からない場合があります。その部分を明確にしましょう。

4.判断する場面を絞る

「仕事の判断基準を教えてください」という問いは、範囲が広すぎます。

具体的な場面を一つ選びます。

例えば、

  • 追加確認が必要かを判断する。
  • 資料を次の担当へ渡してよいか判断する。
  • 通常の手順で進められるか判断する。
  • 変更内容を再確認するか判断する。

一つの判断に絞ると、必要な情報と分岐を整理しやすくなります。

5.判断の目的を確認する

同じ資料を見ていても、目的によって確認する項目が変わります。

例えば、受領確認なら、必要な資料が届いたかを見るかもしれません。

一方、作業開始の判断なら、内容がそろい、正式な条件を特定できるかまで確認する必要があります。

まず、

何を判断するために、その情報を見るのか。

を明確にします。

目的が違う判断を、一つの基準へ混ぜないようにしましょう。

6.具体的な一件から聞く

経験者へは、実際の一件を振り返りながら尋ねる方法があります。

例えば、

  • 最初に何を見ましたか。
  • どの記載が気になりましたか。
  • 何と比較しましたか。
  • その時点で何が分かっていましたか。
  • どの行動を選びましたか。

一般的な説明では省かれる確認も、具体的な事例から取り出せることがあります。

事例を提供できない場合は、練習用の条件を明示して検討します。

7.聞き取りの質問を作るプロンプト例

次の判断について、経験者へ聞く質問を作ってください。

【判断する場面】
[記入]

【判断の目的】
[記入]

【現在分かっている説明】
[記入]

見ている情報、比較対象、気になる状態、選ぶ行動、例外の順で質問を整理してください。

経験者の答えを想像して埋めず、確認する質問だけを示してください。特定の答えへ誘導しない表現にしてください。

8.見ている情報を具体化する

「全体を見て判断する」という説明を、少しずつ分解します。

例えば、

  • 案件番号。
  • 資料の版。
  • 数量。
  • 日付。
  • 注記。
  • 依頼内容との対応。
  • 未決定の項目。

どの情報を必ず見るのか、条件によって見る項目は何かを確認しましょう。

すべてを一律に確認するのではなく、判断との関係を整理します。

9.何と比較しているかを確認する

判断には、比較対象がある場合があります。

例えば、

  • 正式な依頼内容。
  • 現行の仕様。
  • 過去に確認した状態。
  • 合意した範囲。
  • 使用する手順書。
  • 現物や測定した記録。

「いつもと違う」という感覚も、何と違うかを聞くと具体化できることがあります。

比較対象が明確でない場合は、そのことも記録します。

10.違和感を観察できる言葉へ変える

例えば、

この依頼は少し気になる。

という感覚があったとします。

聞き取りによって、

数量は確定と書かれているが、添付資料には確認中と記載されている。

という状態を取り出せるかもしれません。

この場合、言語化できたのは「記載の食い違い」です。

違和感そのものを誤りの証拠にせず、何を追加確認する手掛かりかを整理しましょう。

11.基準の出所を分ける

判断の説明には、性質の異なるものが含まれます。

区分内容
正式な基準現行の仕様や取り決めに示されている
確認済みの運用関係者と確認した進め方
経験上の目安過去の事例から使っている見方
判断の仮説役立つ可能性があり、まだ検証していない
未確認根拠や適用範囲が分からない

経験上の目安を、無条件の正式ルールに変えないことが大切です。

12.数字の境界を勝手に作らない

「多い場合は相談する」という説明を具体化するとき、根拠なく「十件以上」と決めてはいけません。

次を確認します。

  • 数値の基準は決まっているか。
  • 過去の記録から使っている目安か。
  • 数量以外の条件も関係するか。
  • 誰が基準を決める必要があるか。

ChatGPTが示す数値も、根拠がなければ提案です。

実際の判断に使う境界は、確認してから記載しましょう。

13.一つの条件だけで決まるかを確認する

判断には、複数の条件が関係することがあります。

例えば、

必要資料が届いている。

だけでは、作業を始められないかもしれません。

  • 対象が特定できる。
  • 使用する版が分かる。
  • 記載に食い違いがない。
  • 未決定事項が作業へ影響しない。

といった条件も必要かもしれません。

必要条件と、参考にする情報を分けて整理します。

14.条件を整理するプロンプト例

次の聞き取り結果から、判断に使う条件を整理してください。

【聞き取り結果】
[記入]

各条件について、確認する情報、比較対象、判断への関係、根拠、未確認事項を示してください。

正式な基準、確認済みの運用、経験上の目安を区別してください。曖昧な言葉を具体化するために、数値やルールを創作しないでください。

15.説明用の実務例:依頼を通常の手順で進められるか

ここでは、依頼を受けた後、通常の資料作成へ進めるかを判断する場面を考えます。

説明用の仮定として、経験者から次の説明があったとします。

案件と使う資料が特定でき、必要な条件がそろっていれば進める。資料どうしに違いがある場合は、その違いが今回の作業へ関係するかを確認する。

この説明を、確認する情報と行動へ分けていきます。

16.例を判断表へまとめる

説明用の整理例は、次のとおりです。

確認した状態次の行動残る確認
対象と使用資料を特定できる必要条件の確認へ進む条件がそろっているか
対象を特定できない対象の確認を依頼する正式な案件情報
必要条件が不足している不足内容と影響を整理するどの作業まで進められるか
資料に食い違いがある対象と条件を照合する正式な内容と適用範囲

これは構成の例です。

実際に進めてよい条件や保留する範囲は、現行の手順と権限に合わせて確認します。

17.判断の理由を短く添える

条件だけでなく、理由を添えると応用しやすくなる場合があります。

例えば、

案件番号を照合する。別の案件の情報を混ぜないため。

という説明です。

ただし、理由が長くなると、作業中に必要な箇所を探しにくくなります。

判断に関わる短い理由と、詳しい事例や背景を分けて配置しましょう。

18.境界の事例を集める

明らかな例だけでは、迷う場面の判断が分かりません。

例えば、

  • 一部の情報だけ不足している。
  • 数値は一致するが、対象の記載が異なる。
  • 古い資料しかないが、変更の有無は不明。
  • 通常の範囲に近いが、例外条件が一つある。

こうした境界の事例について、何を追加確認するかを聞きます。

無理に「進める」「止める」の二択へまとめないことが大切です。

19.判断できない状態を正式に残す

判断基準には、次のような結果も含められます。

  • 情報不足で判断できない。
  • 対象外のため確認が必要。
  • 判断する権限がない。
  • 基準どうしが食い違っている。

判断できないことは、失敗とは限りません。

何が不足し、どこへ確認するかが分かれば、次の行動へつなげられます。

20.確認先へ伝える情報をそろえる

迷った場合の確認先だけでなく、何を伝えるかも整理します。

例えば、

  • 対象案件。
  • 判断したいこと。
  • 確認できた情報。
  • 食い違っている箇所。
  • 作業への影響。
  • 回答が必要な時期。

質問する側が、すでに何を調べたかも伝えると、確認の重複を減らせます。

ただし、未確認の期限や相手の対応可能時間は勝手に決めません。

21.確認文を作るプロンプト例

次の状況について、判断を求める確認文を作ってください。

【判断したいこと】
[記入]

【確認できた情報と根拠】
[記入]

【不足・食い違い・対象外の条件】
[記入]

【作業への影響】
[記入]

対象、判断したい内容、確認結果、不明点、お願いの順でまとめてください。推測を事実として書かず、自分が提案している案と、決定済みのことを区別してください。

22.経験者どうしの違いを比べる

複数の経験者から、違う判断が出ることがあります。

すぐに一方を誤りとせず、次を確認します。

  • 同じ目的で判断しているか。
  • 見ている資料は同じか。
  • 対象や条件の想定が違わないか。
  • 重視する影響が異ならないか。
  • 参照している基準の版は同じか。

違いの理由が分かれば、基準の不足や、条件による使い分けが見えてきます。

23.意見を多数決だけで基準にしない

多くの人が使っている見方でも、正式な条件と一致するとは限りません。

反対に、一人だけが指摘した条件が重要な場合もあります。

意見の数と、根拠の強さを分けて考えましょう。

ChatGPTが複数の説明をまとめる際にも、「共通する意見」と「正式に採用する基準」を区別させます。

最終的に誰が基準を確認するかも明確にします。

24.判断事例で使えるか試す

整理した基準は、事例へ当てはめて確認します。

最初は、判断結果が確認できている過去事例や、練習用の条件を使えます。

見るのは、次の点です。

  • 必要な情報を選べるか。
  • 条件の意味を理解できるか。
  • 次の行動を選べるか。
  • 判断できない場合に確認へ進めるか。
  • 経験者と異なる場合、その理由が分かるか。

結果が一致しただけで、理解できたとは限りません。判断理由も確認しましょう。

25.事例の点検を頼むプロンプト例

次の判断基準を、説明用の事例で点検してください。

【判断基準】
[記入]

【事例と確認済みの情報】
[記入]

各事例について、使う条件、判断できる範囲、追加確認、次の行動を示してください。

基準にない条件が必要な場合は、答えを補わず不足として示してください。もっともらしい正解を作るのではなく、基準の曖昧さや抜けを探してください。

26.数値化できない判断を無理に点数へ変えない

経験者が複数の情報を見比べて判断する場合、すべてを点数にできるとは限りません。

無理に点数化すると、重要な条件が合計点へ埋もれることがあります。

例えば、

  • 必ず満たす条件。
  • 条件によって重視する情報。
  • 確認を求める兆候。
  • 経験者の判断が必要な範囲。

へ分ける方法があります。

言語化の目的は、すべてを自動判定にすることではありません。

27.適用範囲と更新する条件を残す

判断基準は、前提が変われば見直しが必要です。

例えば、

  • 扱う対象が変わった。
  • 仕様や取り決めが変わった。
  • 新しい例外が見つかった。
  • 基準を使っても判断が分かれた。
  • 確認先や役割が変わった。

資料には、対象範囲、根拠、確認日、管理する担当を必要に応じて記載します。

古い目安を、現在も有効な基準として使い続けないようにしましょう。

28.基準全体を点検するプロンプト例

次の判断基準を、共有して使う観点で点検してください。

【対象者と使用範囲】
[記入]

【判断基準と根拠】
[記入]

次を確認してください。
1.判断する目的が分かるか
2.確認する情報と比較対象が明確か
3.正式基準と経験上の目安を区別しているか
4.条件と行動が対応しているか
5.境界や例外の扱いが分かるか
6.判断できない場合の確認先が分かるか
7.適用範囲と見直す条件が明確か

未確認の数値やルールは補わず、必要な確認として示してください。

29.実践演習:10ステップで判断基準を言葉にする

身近な判断を一つ選び、次の順で取り組みましょう。

  1. 判断する場面を選ぶ。
    一つの具体的な場面へ絞ります。
  2. 目的を書く。
    何を判断し、何を守るためかを確認します。
  3. 具体的な事例を集める。
    結果だけでなく、当時の情報を残します。
  4. 経験者へ聞く。
    見た情報、比較対象、選んだ行動を尋ねます。
  5. 根拠を分ける。
    正式基準、運用、経験上の目安、仮説を区別します。
  6. 条件と行動を対応させる。
    どの状態なら何をするかを書きます。
  7. 境界と例外を確認する。
    迷う条件と不足情報を整理します。
  8. 確認先と伝える内容を決める。
    判断できない場合の進め方を残します。
  9. 事例で試す。
    判断結果だけでなく、その理由を確認します。
  10. 修正して共有する。
    適用範囲、根拠、更新する条件を明示します。

30.判断基準のチェックリスト

  • □ 判断する場面と目的が明確か。
  • □ 具体的な事例をもとに整理したか。
  • □ 見る情報と比較対象が分かるか。
  • □ 違和感を観察できる状態へ言い換えたか。
  • □ 正式基準と経験上の目安を区別したか。
  • □ 数値の境界を根拠なく作っていないか。
  • □ 複数条件の関係が分かるか。
  • □ 判断できない場合の行動が明確か。
  • □ 事例で意味と使い方を確認したか。
  • □ 適用範囲と見直す条件を残したか。

説明を読めることと、実際に判断へ使えることを分けて確認しましょう。

31.よくある失敗と直し方

失敗①:「経験で分かる」という説明のまま残す。

具体的な一件を使い、何を見て、何と比べ、どう動いたかを尋ねます。

失敗②:経験者の目安を正式ルールにする。

出所と適用範囲を確認し、正式に採用する判断とは分けます。

失敗③:曖昧な言葉を、根拠のない数値へ変える。

数値が必要なら、記録や関係者への確認から決めます。

失敗④:すべてを二択にする。

情報不足、対象外、権限外など、確認が必要な状態も用意します。

失敗⑤:判断結果が一致したので十分と考える。

どの条件を使ったか、理由を説明できるかも確認します。

失敗⑥:一度まとめた基準を固定する。

新しい条件や例外が分かったら、根拠と適用範囲を見直します。

32.今回の要点

今回の要点は、次の五つです。

  1. 判断する場面と目的を絞る。
  2. 具体的な事例から、情報、比較対象、行動を取り出す。
  3. 正式基準、経験上の目安、仮説を区別する。
  4. 条件と行動を対応させ、判断できない場合も整理する。
  5. 事例で使い方を確認し、適用範囲を更新する。

経験を言葉にすることで、共有できる部分と、追加の判断が必要な部分が見えてきます。

33.仕事で使える基本プロンプト

今回の内容をまとめた基本プロンプトです。

あなたは、経験者が使っている仕事の判断基準を整理する相談相手です。

【判断する場面】
[記入]

【判断の目的】
[記入]

【対象者と使用範囲】
[記入]

【具体的な事例】
[当時の情報と判断を記入]

【経験者の説明】
[記入]

【正式な基準・確認済みの運用】
[根拠とともに記入]

【不明点や意見の違い】
[記入]

次の順で整理してください。
1.追加で聞く質問
2.見ている情報と比較対象
3.正式基準、運用、経験上の目安、仮説の区別
4.判断に必要な条件
5.条件と次の行動の対応表
6.境界、例外、情報不足の扱い
7.確認先へ伝える情報
8.事例で確認する項目
9.適用できる範囲と限界
10.更新や再確認が必要な条件

説明にない数値、基準、確認先、判断権限を補わないでください。経験上の目安を正式ルールへ変えず、意見の違いは残してください。すべてを二択や点数へ置き換えず、判断できない場合の確認方法を示してください。

34.まとめと次回予告

経験者の判断には、確認する順番、気になる状態、比較する情報など、多くの要素があります。

具体的な事例を使って聞き取ると、その一部を他の人が使える条件へ整理できます。

ChatGPTには、質問づくり、条件の分類、判断表の作成、不足箇所の点検を手伝ってもらいましょう。

共有できる部分を明確にしながら、経験や専門的な判断が必要な範囲も残すことが大切です。

今回の実践では、一つの判断について、「最初に見る情報」「判断が変わる条件」「迷った場合に確認すること」を書いてみてください。

次回【第88回】は、「ChatGPTを使って仕事の学習計画を作る方法|必要な知識・練習する作業・習得の確認を整理する実践講座」を予定しています。

仕事で必要な力を具体的な行動へ分け、学ぶ順番と、身に付いたかを確かめる方法を考えます。

それでは、また次回。ソラ先生でした。

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